21世紀最初の世界教会協議会(WCC)総会は、キリスト教徒の一体性を模索する新たな段階の始まりになりそうである。
WCC総会は7〜9年に一度開催され、第9回目になる来月の総会はブラジルのポルトアレグレで開催される予定であり、今回の総会はエキュメニカル(全教会一致)への歴史を築く重要な節目となるだろうと期待されている。WCC事務総長のサミュエル・コビア博士はきたる2月14日〜23日における総会への希望を語った。
コビア博士は「WCC総会ではおよそ60年にわたりエキュメニカル(全教会一致)運動でキリスト教徒と教会に関する独特で広範囲な領域を共に集め、画期的なイベントを繰り広げてきました。今回の総会が今世紀初の総会になりますが、キリスト教徒の一体性を模索し、現代のエキュメニカル運動のあり方と新たな文化に関するビジョンが形成される新たな段階の始まりとして、画期的な総会となることを望んでいます」と総会への期待を表明した。
第9回となる今回の総会は世界的な教会集会の中でも最も大きな集会の一つで、コビア博士曰く「広く拡散した不正、貧困、絶望の最中において」、世界中からほぼ全てのキリスト教宗派の代表者を招集している。
「今回の総会は今の時代に於いて人類が時代の動向を注意深くわきまえ、エキュメニカル運動から希望に満ちた勇気あるヴィジョンを共有するという大きな挑戦に面している。私たちの世界は深い転換を迎える必要がある」とコビア博士は現在の教会の問題点をいくつか指摘しながら総会への希望を述べた。総会のテーマは南アメリカ地域の神学的懸念事項に強く影響を与えてきたもので、「神よ、あなたの祝福のうちに、世界を転換したまえ」というテーマで行われる予定であるという。
コビア博士はこのテーマについて「これは祈りと希望の両方の意味を持っている。このテーマによって、神がキリストを通して人類と全ての創造物に対し和解と新しい命を与えてくださることを私たちが思い起こすことができる。このテーマから私は、今回の総会が21世紀におけるエキュメニカル検討課題を一新し、新たな衝撃を走らせるものとなると信じます」と述べた。
またコビア博士は総会を通して今後のエキュメニカル運動へ若者が積極的に参加することの重要性に関して、「若い世代の渇望と興味がよく考慮される必要があり、彼らが積極的に関与することがエキュメニカル運動を継続するに不可欠です。私たちは若者が今後将来的にWCCにおける中心的活動者となるために、若者がエキュメニカル運動を自ら形成し、先導的役割を持つことができるようなトレーニングを与えるなどの積極的なアプローチを図ることにより、エキュメニカル運動に若者が参加する新たな道を模索する必要があります。
第二に、私はエキュメニカル運動がより深い霊性をもって行われる必要があることを確信しています。そのことによって私たちの今までなしてきたエキュメニカル運動を一つにし、より強く補強することになるのです。WCCはそのための最も重要なキリスト教教会の共同体です」と述べた。
コビア博士はWCC会員に対し、今回の総会の中核となる使命はキリスト共同体の存在力を強めることにあると強調した。
結論として、コビア博士はWCCの会員に向けて実際には多くの困難があるが、諸教会が共に一つになって世界の転換のために貢献するということの本当の潜在力を過小評価してはならないと警告した。
コビア博士は最後に、「信仰と新たな希望を共にすることによって、全てのことは可能になります。今回の総会が世界の転換のためにキリスト教徒の声や証しをより目に見えるもの、共通のものとするためのサインを提起するものとなりますように」と祈った。
第9回世界教会協議会総会はラテンアメリカで開催される最初の総会である。この総会はラテンアメリカの地域を代表してブラジルキリスト教会協議会(CONIC)によって開催される。2月11日〜13日の総会直前には若者と女性向けイベントも開催される予定である。