イスラム教がその大部分を占めるウズベキスタンアンディジャンで昨年5月に発生した反政府運動で、非武装平和運動家を政府治安維持軍が攻撃し、数百人が殺害されて以来、ウズベキスタンにおける宗教的不寛容が深刻な問題となっている。
この事件の後ウズベキスタン当局は、ヌクスにある唯一の政府公認教会を教会員の一部が布教活動に従事していることを理由に閉鎖に踏み切り、キリスト教徒弾圧政策を強化した。その他に教会閉鎖の理由として、「宗教的動揺を高めること、若者に宗教的書物を配布していること」また「政府当局の指令に従わないこと」さらには教会の建物が老朽化していることなどがあげられたという。さらに、キリスト教活動家による慈善活動も抑圧下におかれている。WEA(世界福音同盟)によると、多くのキリスト教徒による慈善活動が適切な理由なしに中止させられたという。
またアンディジャンで発生した反政府運動事件の後、他のプロテスタントキリスト教徒も迫害にあっており、脅迫的な取調べや虐待、拷問、キリスト教集会の取り締まり、キリスト教文書の没収などが行われているという。
ある村ではキリスト教の家庭に対し、イスラム教に改宗させるために水道水を使用不可能にさせられているところもあるという(WEA)。
公式にウズベキスタンには宗教の自由があり、ロシア人、韓国人、その他団体などウズベキスタンに在住する外国人がキリスト教の礼拝を自由に行うことは認められているという。
しかしながら、ウズベキスタンのキリスト教少数派はイスラム愛国主義者と政府当局両方から継続的な弾圧を受けているという。WEAによると、キリスト教の活動を受容するウズベキスタン人は、社会や政府当局、さらには彼らの家族からも直ちに迫害を受けるようになるという。多くのウズベキスタンのキリスト教徒は日々迫害に苦しんでいるという。
アンディジャンではウズベキスタン人牧師バクティア氏と彼の家族とその教会が地元当局によって数年に亘り継続的に迫害されてきた。彼はもともとはイスラム教徒であったが、その後キリスト教に改宗し、ノボシビルスクの韓国系神学校で神学の教育を受けた。
「私達は未だに迫害を受け続けており、最近さらにその迫害はひどくなっている」とバクティア牧師はWEAに書簡で伝えたという。
昨年11月に教会牧師は4日の間、警察で毎日9時間の尋問を受け、罰金を支払わされたという。またクリスマスの時期にはひどく虐待され、クリスマスの祝日は厳密な厳戒態勢のなか過ごしたという。
WEAは世界中のキリスト教徒たちにウズベキスタンヌクスにおける教会の政府への再登録とウズベキスタンにおける正義の回復のために祈るように求めている。
このような困難にもかかわらず、WEA委員会はウズベキスタンのキリスト教徒の数は増加し続け、多くのウズベキスタンの元犯罪者や薬物中毒者がイエスを信じるようになり、新たに正しい生活に踏み切っていると発表した。