【ロンドン】カンタベリー大司教ロワン・ウィリアムズ博士はイスラム教、キリスト教間のより良い相互理解のために新フォーラムを立ち上げた。
BBCによると、このキリスト−イスラムフォーラムは一年に三回開催され、英ボールトン教区デイヴィッド・ギレット司教、マークフィールド高等教育機関理事長アト−ラ・シディッキ博士によって主催されるものであるという。
イスラム教から4名、キリスト教から4名の合わせて8人の代表者たちが教育、家族問題の専門家12名と6名の学識者からなるフォーラムを先導する。二名の正規理事長(一名がキリスト教徒、もう一名がイスラム教徒)もこのフォーラムに召集される予定である。
このようなフォーラムは世間の注目を集めるだけの「トークショー」のようなものだという声も聞こえるが、ギレット司教は、「このようなフォーラムは『共通のイニシアチブ』を通してよりよい相互理解を促進するものである」と確信している。
またウィリアムズ博士はこのようなフォーラムの実現を『偉大な成果』であるとして賞賛し、
「このキリスト−イスラム間のフォーラムという困難な事業に多くの人が関わり多くの貢献をしてきたことにとても喜んでいます。キリスト教徒とイスラム教徒は過去10年間ともに働くことでとても大きなことを学んできました。私はこのキリスト−イスラムフォーラムにおいてキリスト、イスラム双方のメンバーと専門家が私たちをとりまく問題について共通する見解、異なる見解を認識することができればと願っております。」とこのフォーラムの開催について賛辞を述べた。
ギレット司教はこのフォーラムで討議することによって双方の信徒間の誤解を解くことできればと願っているという気持ちを表現し、
「このような議題内容、方法でキリスト共同体とイスラム共同体が国家的レベルにおいて共に集まるというのは前代未聞のことです。ですからこの2つの共同体の信仰が社会全体として共通の善を協力して成すための可能性を模索することができると思います。」と述べた。
またギレット司教は主催者側として、英国教会はこの2つの共同体がより良い相互理解を成すことを促進する責任があると付け加えた。
ギレット司教と交代で議長役を務めることになるシディッキ博士は「私たちは、世の中に私たちが共に協力して成すことのできる多くのフィールドがあることを自ら実例を示してリードしていく必要があります。」と述べた。
シディッキ博士はキリスト、イスラムそれぞれの信徒はそれぞれに対する誤解と偏見に包まれた社会の中ですごしていたため、互いを偏見なしに知り合うことを無意識のうちに避けるようになっていたことを指摘し、過去におけるキリスト、イスラム相互の誤解を取り除くことの重要性を主張した。
シディッキ博士は「私たちは共通の遺産を所有しているが、またキリスト教徒とイスラム教徒が肩を並べて暮らしている多くの都市も世界中に抱えています。私たちはただ単に互いの共同体の利益のためだけでなく、より広い社会へと一致して貢献するために共に働きたいのです。」と述べ、フォーラムは地方レベルでキリスト、イスラムの信徒が共に会話をするレベルから開始されるべきだと付け加えた。
シディッキ博士によると、このフォーラムは「私たちの共同体の相違を尊重し、祝福する」という両方の局面を持つものであり、「キリスト教徒とイスラム教徒がもっているものは共同体としての義務感であり、そうであるからこそ、私たちは共に働くことで双方の立場についてはっきりとした理解ができるだろう」と相互作業を促進した。
このフォーラムの開催は英内務省とその他の機関による支援により可能となったという。