国際キリスト教教育機関オープンドアのオーストラリア支部によると、中国におけるクリスマスの現状について進展もあり、迫害もあり、また信仰の回復も見られたという。
そして30年間に亘る中国における宗教解放の大きな進展によって西欧キリスト教徒が中国で宣教し、教会活動をする機会が得られるようになった。
1988年以来中国において4600万部以上もの聖書が合法的に出版され、その大半が国内での使用のために用いられた。
聖書は公的に認められたプロテスタント教会へ販売され、多くの都市で聖書は需要を高めた。またいくらかの家庭教会のキリスト教徒も聖書を購入することができるようになった。
さらに、聖書とキリスト文学は大学出版社によって政府公認の書店や多くの省の教会協議会を通して利用できるようになった。
しかしながら家庭教会に通うキリスト教徒の80%が在住する地方においては、未だに聖書が著しく不足していると言う。
地方に住む多くのキリスト教徒は都心まで聖書を買いにいく余裕がないこと、聖書自体を購入する余裕がないこと、また政府公認教会に彼らの所属している家庭教会についての情報を明かしたくないことから政府公認教会を通して聖書を購入したくないなどの問題があり、聖書を購入することができないでいる。
その結果として、中国において何百万人ものキリスト教徒が個人用聖書を得る事ができないでいるという(オープンドアオーストラリア支部)。
キリスト教人権団体はまた中国におけるクリスマスの宗教的自由度の進展について、何千人ものキリスト教徒の教師が英語やその他の科目を大学で教えられるようになったことを挙げた。また神学校や教会、児童養護施設、慈善施設の再建を含む多くの努力が成されているという。
一方で、迫害や深刻な問題も中国キリスト教徒に対して生じていることも現実である。政府公認教会の敷地外での宣教は違法とされており、18歳未満の人に聖書の御言葉を教えるのは暗黙のうちに禁止されており、少数派教会の洗礼は禁止されており、教会による子供プログラムは厳しく禁止されている。
またオープン・ドアはある団体が投獄や虐待よりもむしろ偏見や嫌がらせに直面している平均的中国人クリスチャンに対する迫害の度合いを誇張していることも指摘した。
また中国国内では広範囲においてキリスト教に寛容になっている。ある地域では家庭教会キリスト教徒はどんなに大きな声を出して賛美歌を歌っても地元政府によって咎められず、地元政府は家庭教会が非公認で違法であることを無視しているという。一方でまた別の地域では家庭教会指導者は逮捕され虐待、投獄され、教会の集まりは禁止されたというところもある。
オープンドアは
「中国におけるキリスト教教会はコロンビアほど多くの殉教者が生じているわけではないし、サウジアラビアにおける規制ほど厳しくはないし、インドネシアでの過激派暴徒との紛争ほど多くの紛争が発生しているわけでもない。しかし未だ中国で何百万人ものキリスト教徒が世界で最も大きい迫害対象団体として存在している。」と訴えた。
中国でのキリスト共同体は1970年前半に生じた大改革によって現在世界で最も大きいキリスト共同体にまで発展した。統計によると6000−8000万人のキリスト教徒が現在中国に存在しているという。
そのなかでたった2300万人のキリスト教徒が中国で公式に認められた二つの宗派の教会で礼拝している。そのうちの一つはプロテスタントの中国基督教三自愛国伝道委員会で信者1800万人を抱えている。そしてもう一つはカトリックの中国天主教愛国会で、500万人以上の信者を抱えている。
中国政府は政府公認教会で中国人キリスト教徒が礼拝することを支援するための政府公認の機会を提供しているが、このような機会はすべての教会のニーズを満たすものにはなっていない。私たちは政府のプロパガンダや西欧人が中国に寝返りして中国の政府筋の見解をオウム返しに繰り返しているだけの中国専門家による捻じ曲げられた真実に騙されてはいけないとオープンドアは結論付けた。
オープンドアは60カ国以上で聖書を配布して牧会トレーニングを支援している。読み書きやその他の活動もすべて迫害されている教会を支援するために行っている。