英国生命倫理指導シンクタンクは、英科学者がウサギの卵細胞とヒトのDNAから肺細胞を作り出す計画に深い懸念の意を表明した。
グッド・ニュースによると英科学者たちは、不治の病の治療法を発見するための幹細胞研究の進展のために、許可が下りればヒトの細胞とウサギの卵細胞を融合させる計画を持っているという。
しかしながらこの計画は議論を醸している。生命倫理公共政策(CBPP)センターはこのような研究を行うことがどういう結末を辿る事になるかについて警告している。
CBPP理事長のニゲル・カメロン氏は、「このような研究は気づかないうちに私たちを危険な目に遭わせる事になる。肺細胞を研究するためにヒトとウサギの細胞を融合させることは英国の科学者をより非倫理的な研究へと導くことにつながる」と研究遂行を非難した。
哺乳類で初のクローン動物、羊のドリーを創出する研究を先導したイアン・ウィルマット教授は、今回のウサギの卵細胞を使用する研究は人間の女性の卵細胞を取得するのが倫理的に難しいために代替として使用するに至ったとし、今回の研究を弁護した。
最近ソウル大・黄禹錫(ファン・ウソック)教授のヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)論文ねつ造問題が生じたことから生物科学研究における倫理問題は大きく議論を醸すようになっている。
カメロン氏は、「韓国のES細胞論文捏造の大失態は幹細胞研究の疑惑を一挙にクライマックスにまで引き上げた。黄禹錫教授の傲慢は多くの科学者が彼らの研究のためといって公的資金を横領していることの具体的な裏づけになった」「研究結果について虚偽の報告をしたことで研究機関が研究結果についての責任の甘さを表すことになった」と強く非難した。
また米国カリフォルニア州ソーク研究機関の科学者は、生きているヒト肺児を殺し、ネズミの脳細胞をそのES細胞に注入することでヒトとネズミの融合体を作り出したという。米国キリスト教団体はこの恐るべき研究に悲嘆の意を表した。
人体実験を非難する数多くの記事を執筆しているアメリカの妊娠中絶反対グループ「オペレーション・レスキュー」の広報官チェリル・スレンジャー氏は、「ヒトES細胞は細胞分化が開始される前の生きた成長過程のヒト肺細胞を殺すことで取得することができる。このこと自体が倫理学者にとって問題なのです。このような研究がどのような結末を辿ることになるのか想像がつきませんが、人間の生命を尊重するすべての人にとって人とネズミの融合体は衝撃的であり受け入れがたいものです。科学者が研究遂行するに於いて無垢の命を害することがないようにより詳細な規約が作成されなくてはいけません」と訴え、ヒトとネズミの融合体について「生命体の価値の劣化を明らかに促す呆れた研究が、これ以上行ってはいけないという臨界点を超えてしまったことを示す指標のようなもの」としている。