米NBC局で今月6日より放送されている新ドラマ「ブック・オブ・ダニエル」は米国中で放送の可否に関して大いなる議論をかもし出している。このドラマは薬漬けになっている監督教会聖職者と倫理的に問題だらけの彼の家族について描いており、加盟系列局や広告主はこのドラマの放送を支援することに嫌悪感を抱いている。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、地元視聴者からの苦情により、NBCの232局の加盟系列局のうち「ブック・オブ・ダニエル」を放送権を取得したのはたったの5局。6日の初回放送は900万人しか視聴していないことになる。
米ミシシッピ州のNBC加盟系列局であるWTVAでは、1500件以上の「ブック・オブ・ダニエル」放送を中止することを訴える電子メールを受け取った。アメリカ家族協会(AFA)によると、これはWTVA開局以来もっとも大きな視聴者からの反応であったという。
問題番組「ダニエル」に対しもっとも非難を浴びせているキリスト教保守派団体の一つであるAFAによると、「ダニエル」放送の広告主5社のうち3社が「ダニエル」広告主から撤退する意を表明しているという。先週金曜日の初回2時間放送で放送されたコマーシャル数は、23回であった。これは通常のゴールデンアワーにおいて2時間で放送するコマーシャル数の約半分にしか至らない数である。
NBCエンターテインメント社長ケビン・レイリー氏は「ダニエル」に対する広告問題状況を古くから存在している問題であると述べた。レイリー氏は「私たちはこの『ダニエル』シリーズを放送し続けたいと考えており、広告主にとっても最高の環境を整えるように努力したい。しばしば番組製作側と広告主の意見の不一致というのは生じるものだ。この双方が調和するような方法を探る必要がある」と述べた。
「ブック・オブ・ダニエル」はそのメインキャラクターである同性愛の息子、薬漬けの娘、アルコール依存症の妻を含む家族の振る舞いについて米キリスト教徒と主力メディアの両サイドから批判を受けている。
キリスト教団体は特に番組中のイエスキリスト像について非難の声を浴びせている。番組の中で現れるイエスキリストがとりわけ不義や非道徳について関心を示さない弱弱しい白い布をまとった訪問者のように表現されているからである。
ノースカロライナ州のクリスチャン・アクション・リーグの事務局長マーク・H・クリーチ牧師は、「ダニエル」についてキリストに対する信仰に少しも敬意を表していない、神性の一形式を強調しているが、福音の力が生活の中に転移することを否定していると批判した。
地元ニュース提供源によると、番組プロデューサーのジャック・ケニー氏はイエスキリストをからかうつもりは最初から全くなく、番組中の登場人物についても神を信じ、キリストを救い主であると信じている設定にしてあると述べたという。
このような多くの非難にもかかわらず、NBCは「ブック・オブ・ダニエル」を放送し続けるという。