国連のアナン事務総長は、スーダン北西部にあるダルフール地区の危険地域に、アフリカ連合平和維持軍に代わって緊急機動隊を配置する計画を明らかにし、「私たちはすぐにでもダルフール地区の危険に答えられるような緊急対策案を計画している」と発表した。
アナン氏はAFP(フランス通信社)に対し、国連平和維持軍を要望があったときに計画的な空軍による機動性のある支援ができるように配置する対策を立てていると述べた。
この発表は、アフリカ連合平和維持軍が抱える財政赤字を国際団体からの寄付金で十分に賄えないのであれば、アフリカ連合維持軍のダルフール地区での平和維持活動は国連に取って代わられるだろうとの発表に続けて行われた。
アフリカ連合の平和安全理事会に提出された報告書ではスーダンにおけるアフリカ連合ミッション(AMIS)は多大な資金が提供されない限り3月以降は継続不可能であるとし、平和維持活動は国連に引き継がれるだろうと結論付けた。
2005年12月にアフリカ連合はAMIS平和維持活動を継続させるのには1億3000万ドルの追加支援が必要であると発表。国際団体ではこの状況を克服することはできないとし、アフリカ連合の状況を改善するために国連の活動を別の手段の一つとして思案中であった。
アナン氏は、アフリカ連合のスーダン平和維持について2005年5月に最後の支援金が支払われ、その後アフリカ連合のこの困難な作業についてどのように援助するか会議を行っていたという。
またアナン氏は、国連がもしダルフール地区に平和維持軍を派遣するとすれば、ダルフール地区の規模と紛争で荒れ果てた国であることから考え、今までとは違い、機動性があり、戦略的な空軍による支援とヘリコプターや緊急対応ができる仕組みを整えなければならないと述べた。
アナン氏によると、国連平和維持軍は最新の装備と戦略的な支援も必要で特に空軍による機動性が重要になる。また国連平和維持軍がダルフール地区での活動を本格的に行うとなればそれだけの機能を発揮できるために世界各国の政府による支援が必要になる。
またアフリカ連合議会議長アルファ・オマール・コナール氏は、アフリカ連合としてはアフリカ連合平和維持軍のダルフール地区での活動を戦略的な支援を行うために国際団体から援助を受けられるのであればあと一年継続したいという意思を表明している。