英国イスラム協会の特使アナス・アルティクリチ氏が2005年11月以来拘束状態が続いているノルマン・ケンバー博士とその他3名のキリスト教平和活動チーム(CPT)の解放に向けた交渉を再開し人質解放に向けた手がかりを得るためにイラクへ赴いた。
アナス・アルティクリチ氏はイラク生まれで2005年12月にすでにイラクを訪れ4人の人質の解放に貢献してきたが現地で最近の主流メディアがクリスチャン人質について熱心に取り上げていないのに失望感を感じていた。アナス・アルティクリチ氏と国際カトリック平和運動を英国において指揮してきたガフニー女史は人質解放のために4人の詳しい拘束時の状況説明が必要だと述べた。
アルティクリチ氏はBBCに4人の人質解放を妨害しているのは、犯人と直接の会話ができないことだと述べている。犯人グループについては、「義の剣軍団(Swords of Truth Brigades)」という名のもとに犯行が行われたことしかわからない。
先週土曜日に人質として拘束されていたフランス人技術者がバグダッドから約30kmはなれたアブ・グレイブで解放されたことから4人の人質解放にも期待が高まる。
アブ・グレイブはサダム・フセイン政権の時代の悪評高い拷問の行われた中心地であり、2003年に米軍によって占有された。このアブ・グレイブで5000人ものイラク人抑留者が深刻な虐待を受けており、CPTはこの事実を最初に世に知らしめたキリスト教団体である。
欧米メディアでは4人の人質に関する注目は日々薄らいで行くにもかかわらず、イラクでは4人の人質解放にむけて徹夜の祈りが続いており、イスラム教社会の間でもこの4人の人質の拘束について大きな非難の声が湧き出ている。
またワシントンD.C.では金曜日にホワイトハウスの外にCPTが4人の釈放を徹夜で祈る部隊を設立し、4人の釈放への願いを通じて国を超えた信仰による団結力を深めている。
CPTは米大統領ジョージ・W・ブッシュ氏に直接対イラク政策についての現状についてCPTに直接説明するように要求しているという。(英シンクタンク"Ekklesia"より)