東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16カ国は14日、マレーシアのクアラルンプールで初の東アジア首脳会議(サミット)を開いた。域内の経済統合を促進することなどで合意し、将来の東アジア共同体構築で「重要な役割を果たし得る」と明記したクアラルンプール共同宣言に調印した。共同通信など国内各紙が伝えた。
同サミットには、東南アジア諸国連合(ASEAN)の10か国と日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドを加えた計16か国の首脳が参加し、日本からは小泉首相が出席した。議長国招待として、ロシアのプーチン大統領も演説した。毎年、ASEANの議長国でサミットを開くことで合意し、来年はフィリピンで12月に開く見通しだ。
宣言は、EASを東アジアの平和と安定、経済的な繁栄を促すための対話の場と位置づけ、共同体の形成において「重要な役割を果たし得る」とする。また、参加国を限定しない開かれた枠組みを前提に「政治・安全保障」「経済」「社会・文化」に焦点をあてて協力強化を目指す。
共同体創設でASEANプラス3とサミットの具体的な役割は明確になっておらず、課題を先送りした。域内での影響力拡大を狙う中国がASEANプラス3での限定的な議論を主張したのに対し、日本やインドなどがEAS全体への拡大を求めて対立した経緯があり、主導権争いが今後も続く可能性がある。
また、域内で人への感染が拡大する鳥インフルエンザ対策として、抗ウイルス剤の共同備蓄などを柱とする声明を首脳宣言とは別に採択した。