北朝鮮の人権状況に対する見解で意見の分かれる韓国で、韓国教会協議会(以下、韓国NCC)は1日、「朝鮮半島の平和と共存を最優先する」との意向を表明した。
この日、韓国NCCは「朝鮮半島の平和と北朝鮮人権法」というテーマで開催した討論集会で、北朝鮮の人権状況の改善のためには南北双方の意見を尊重した上で対話を継続するべきと主張し、北朝鮮側に経済制裁等の圧力を加えることに反対した。韓国クリスチャントゥデイ紙が5日伝えた。
朴ドウン韓国NCC総幹事は「北朝鮮の人権問題で多くの議論が交わされる中、人権尊重を繰り返し議題にあげる必要はない」と述べた。また、北朝鮮の現状を慎重に調査することが必要とした上で、朝鮮半島の共存と平和統一に向けた取り組みを再開させるべきとの認識を明かした。
パネリストから「北朝鮮の人権問題や食糧難、脱北者数にも減少と改善がみられる」「北朝鮮なりの人権観や伝統があることを理解するべき。相手の体制を全面的に否定して強国側の体制を強要するかたちは避けたい」との意見もあったという。
このパネリストは大学法学部の全教授という。最近の新聞報道を引用して、「北朝鮮の金正日総書記が03年9月頃、警察や軍隊に対し、取調べの際の拷問を禁止し、法に基づいた公務を行うよう支持したことは、北朝鮮が人権等の国内問題を自主的に改善できる可能性を示した」と語った。
韓国NCCからは米国と保守派のキリスト教会に対する批判が相次いだという。別のパネリストは、韓国内の青年層の間で反米意識が広まっている状況について「次第に米国の実像が暴かれてきた。朝鮮戦争で韓国を守った英雄であるという認識が薄れ、原爆投下を許可した虐殺者として認識されつつある」などと話したという。この牧師は、「南北の統一を実現するためには、韓国の教会が保守派の教会の攻勢に適切な対応をとるべき」と述べた。