世界教会協議会(本部・スイス、ジュネーブ)は「世界エイズデー」の1日、本部周辺で屋外集会を行った。HIV感染者数2580万とされているアフリカのために医療支援が急務であるとの認識を共有した。集会の内容を各国の関連組織に送付し各地での取り組みを求める。
英ロンドンに本拠を置くクリスチャントゥデイ.comが1日(現地時間)報じた。
サムエル・コビアWCC総幹事は「HIV感染者の多い国々ですでにHIV対策が始まっているとの認識は誤り」と指摘し、これらの国にこそ啓発運動と支援が必要と述べた。これらの国は貧困や習慣・文化などが原因で十分な対策が講じられていないという。総幹事は、HIV感染者や周辺の人々を「大切な情報源であり、良きパートナー」とした上で、HIV対策以外に、人類をエイズの危機にさらすことになった、社会の根本的な欠陥部分を克服するために協力を求めるべきと強調した。
この日、国内の政府機関や企業、キリスト教会に対し、WCCはエイズ問題でアフリカ支援を求める嘆願書を、2万5000人分の署名と一緒に送付した。
キリスト教共同体に対し、総幹事は、エイズの予防と支援のための真剣な取り組みを求めた。教会内での啓発や問題提起など経済的負担の要らない活動の継続が大きな成果を生み出すという。
また罪の報酬としての傷病死という認識があれば正すべきであると語った。総幹事は「エイズ問題に興味を持たない教会の問題点は何か。悔い改めと救いを強調するあまり、慈悲よりモラルを重んじ、愛より罪の裁きを優先させているのではないか。このような神学や言動には致命的な欠陥がある」と嘆いた。