訪中したブッシュ米大統領は20日、北京市内で政府公認のキリスト教会の礼拝に出席した。
大統領は記者団に対し、「中国政府が礼拝に集まるキリスト教徒を恐れなくなるよう望む。健全な社会は、すべての信仰を受け入れ、全能者である神への礼拝を通して信仰を表現する機会を与える社会だ」とし、中国に信教の自由化を訴えた。
AP通信によると、この礼拝には、政府から許可を受けた約400人以外は参加できなかった。礼拝の行われたプロテスタント教会は同市内で政府に認定された20教会(カトリック含)のひとつ。
大統領は教会で「中国のキリスト教徒に神の恵みがありますように」と記帳した。礼拝後には「神の霊がこの教会に満ち溢れている」と述べた。
この教会の主任牧師は礼拝後、大統領に語りかけ、国内で唯一の政府公認訳で書かれた中国語聖書をプレゼントした。
今回のアジア歴訪で民主主義と自由の拡大を訴えるブッシュ大統領は、訪中前から北京の教会での礼拝を発表し、宗教弾圧を続ける中国政府をけん制してきた。
米国務省は今月8日に発表した世界各国の信教の自由に関する年次報告で、中国を含む8か国を「特に懸念される国」に指定している。中国で公認教会の会員数はプロテスタントとカトリックを含めて2200万人とされているが、非公認の教会(地下教会、家庭教会)と合わせると推定1億人(世界キリスト教年鑑)を超えるとみられている。