世界教会協議会(WCC)、教会ワールド・サービス(CWS)、全アフリカ教会評議会(AACC)らはアフリカ全土のための新しい平和構築プログラムを18日にも発表する。
これら3つのキリスト教連絡団体は、アフリカ各地の紛争の解決の糸口となることを期待して新しいプログラムを共同開発している。プログラムの名称は「エミネント・パーソンズ・エキュメニカル・プログラム・フォー・アフリカ」(EPEPA、アフリカ著名人超教派計画)。平和活動で特に注目されている現地出身の活動家15人と連携して各地を回り、現地の問題に全員で集中的に取り組むという戦略だ。
このプログラムは、18日にガーナの首都アクラで開かれる会合で公表される。活動家15人の選抜には約30の著名な平和運動家がリストアップされ、マンデラ前南ア大統領、南ア教会協議会初の黒人総幹事などとして知られるデスモンド・トゥトゥ師の名前もあった。
マックロウCWS代表はWCCによるプレスリリースの中で、「これら機知に富み、確かな業績を持った著名な運動家が集まれば、人々を平和構築の対話の場に導くことが可能となる」と述べている。各界からの広い賛同と一致が大きな成果に結びつくとしており、アフリカ各地で活躍する平和運動家に対し継続的に協力を求める方針だ。
キリスト教信仰を土台とするこれらの団体がアフリカの平和運動に参与を表明した背景には、全土に広がる暴力と混乱にこそキリスト教徒が身を挺して介入していくべきとの認識を共有したことがあるという。
作業部会は、調停人や平和運動家、アフリカの伝統をよく知る部族長老で構成される。アフリカでは古き伝統が国を問わず広く尊重されることから、勢力や歴史問題が複雑に絡んで発生した民族同士の衝突の和解工作に長老が大きな発言力を持つと期待されている。過去に業績を残し、国家政府に対して影響力をもつ運動家にも期待がかかる。
CWSは米国36の教会組織が参加する人道支援連絡組織で、世界の諸教会で作る人道援助ネットワーク「アクト(Action by Churches Together)」にも加盟している。
WCCは、全世界100か国以上、約350のキリスト教諸教会が連なる連絡組織。日本国内30以上のキリスト教組織が名を連ねる日本キリスト教協議会(NCC、東京・新宿)も加盟している。