米国では、地元教会はもはや礼拝場所ではない―。主に福音派教会を対象に行った調査で、キリスト教調査機関は23日、同国のクリスチャンの礼拝形態が変わりつつあると指摘した。
米調査機関「バルナグループ」は、職場集会、家庭礼拝、インターネット礼拝など、多様な手段で信仰生活を送る人々の数が5千万人にも上り、一方、人々は地元教会から足を遠ざけているとの調査結果を発表した。
1900年代、地域の教会は多くの信者を獲得してきた。同グループによると、全米にあるプロテスタント教会は30万以上、カトリック教会は2万以上存在し、米国市民の主要な集会場所としての地位を守ってきた。
だが、ここにきて、大規模な人口が新しい形態の礼拝に興味を示しており、毎年急増しているという。
調査は、バルナグループが国内全州のクリスチャンから無作為に選んだ3013人を対象に今年1月、5月、7月の3回に分けて行われた。
同グループのジョージ・バルナ代表によると、「革命因子」となったこれら多様な礼拝形態は、神について知りたいという純粋な願望から生み出されたものという。人々は、信仰の表現と経験の場を地域教会以外の場で見出そうとしているとされる。
調査結果では、成人クリスチャンの9%が家庭で礼拝を行い、職場や学校でクリスチャンの同僚による集会に参加する人は20%だった。また、全体の10%が、他の手段と並行してインターネット上の信仰表現の場を利用するなど、ネット伝道の可能性の大きさを示す形となった。
同代表は総評で「伝統的な教会から離れ、職場集会など別の方法で礼拝を守るクリスチャンは珍しくない」とする一方、「地域教会との結びつきは家族からの要望に応じるためである場合が多い。そのような人たちにとって、礼拝が必ずしも伝統的な教会建物の中である必要はない」と指摘した。
同代表は、米国のクリスチャンの礼拝形式が今後20年で劇的に変化すると分析している。