米・キリスト合同教会(United Church of Christ、信徒数130万)は4日(日本時間5日)、同性同士の「結婚」を異性間の結婚と同様に認める議案を賛成票多数で可決した。同性結婚を公式に認める、米国で最初のキリスト教会となった。AP通信が同日報じた。
同通信によると、アトランタ市で同日開催された全国総会で、議員884人中約8割がこの議案に賛成票を投じた。議案は結婚式の規定をめぐって「性別によってカップルを差別しない」と、同性愛者を性別の一つとして認識している。
UCCは35年前、同性愛者であることを自ら認める人物を聖職に就任させた米国初の教会として知られている。
今回可決された議案によると、同性同士の結婚をめぐる憲法改正の動きについて、UCCは傘下の教会に対し、同性結婚の支持を内外に呼び掛けるよう求める方針だ。
同日は米国の独立記念日だったことから、ジョン・トーマスUCC会長は「自由を宣言する勇気ある決断」と評した。
一方、UCCで数少ない福音主義の牧師らは同日、同性結婚に反対して「結婚は男女間のみ」とする議案を提出したが、反対票多数で廃案となった。
同性結婚に反対するべレット・ベッカー牧師は「UCCという極めて自由主義的な教会で、保守派議案が通るとは思わなかったが、一筋の望みを抱いて票を入れた」と語った。同牧師をはじめ、福音主義牧師は「教会の回復のためにUCCに残る」としている。だが、同性結婚議案が可決されたことで、同性愛に異論を唱える牧師がUCCからの脱退を要求される可能性もある。
AP通信の取材に対し、ベッカー師は「きょうは、UCCの独立記念日となる。聖書の明確な教えやイエス・キリストの教えからの独立だ」と述べた。