多数の犠牲者を生んだ5月の暴動鎮圧事件を巡って欧米の非難を浴びる中央アジア・ウズベキスタンのカリモフ政権が、新たにプロテスタント系教会に対する弾圧に乗り出した模様。読売新聞が3日報じた。
同紙によると、警察幹部の1人は「キリスト教徒は米国に魂を売ったので射殺する」と信者を脅したと報じられており、政権が、教会と米政府、米民間団体とのつながりを疑い始めた可能性もある。
中央アジア情報の専門サイト「フェルガナRu」が3日までに伝えたところによると、首都タシケントに近いアングレン市など3都市で教会が閉鎖された。タシケントでは先月、牧師、信者計20人が警察に尋問され、うち4人が殴るけるの暴行を受けた。19歳の男性信者は警官や留置場の同房者たちにより、暴行や拷問を受け、信仰を捨てるよう強要された。
また、ロシア紙独立新聞によると、ウズベキスタンが中央アジアの有事の際、ロシア軍の展開を容認し、米軍の基地使用協定の見直しを検討していることが分かった。
同紙の報道によると、ロシアのイワノフ国防相は29日のカリモフ・ウズベキスタン大統領との会談で、ロシア軍基地を同国に設けることを要求。カリモフ大統領は、ロシア軍の駐留は当面認められないとする一方、中央アジアの有事に限り、国内の10の空港・航空基地を提供する考えを示したという。
旧ソ連圏のウズベキスタンへの米軍駐留には、ロシアでは軍内部に抵抗感が強いとされている。非武装市民に対する軍・治安機関の発砲問題で国際社会の批判がカリモフ政権に向けられる中、ロシアがウズベキスタン政府を擁護し、中央アジアにおける地位回復を狙っているとみられている。