米・南部バプテスト連盟(テネシー州ナッシュビル市)の年次集会では、21日、ブッシュ米大統領がビデオメッセージを通じて信徒約1万人の前で演説した。大統領は、同性同士の結婚、人工中絶、胚性幹細胞(ES細胞)研究、クローン人間研究について「生命の文化を保護する必要がある」と述べ、これら倫理的課題に積極的な姿勢を示すよう、集まった信徒に対し、協力を求めた。米紙クリスチャンポストが22日(日本時間23日)報じた。
大統領は4年連続でこの集会で演説している。02年と04年は衛星通信を通じて、03年はビデオメッセージを通じてメッセージを伝えた。
同紙によると、同市内のコンベンションセンターで行われたこの集会で、ブッシュ大統領は「自由を与えられた者には必ず責任が伴うことを、キリスト者である皆さんはご存知でいるはず」「創造主から贈られた“自由”という土台の上に、互いに愛し合う社会を築く使命がある」と述べ、キリスト教精神と民主主義の関連性を強調した。
大統領は、「心から愛し合う社会は、最も弱く傷ついた存在を守ることに全力を尽くす」と、人工中絶を厳しく批判した。また「胎児性鑑別に反対する「「人間が生命の創造を操作しようとする行為を認めることはできない」などと話し、ES細胞研究を支持しない意向を再確認した。
信徒数1600万の同連盟は、全米最大のプロテスタント教会。04年11月の大統領選では、同連盟信徒の84%が同性婚など重要な倫理的課題に対する大統領の立場を支持し、ブッシュに投票したことが判明している。