フランス政府が聖霊降臨祭の翌日の休日、通称「聖霊降臨祭の月曜日」を廃止し、「休日返上の日」と決めたことに労働組合が反対し、16日、国内各地でストライキが実施された。聖霊降臨祭翌日の月曜は祝日というのがフランスの伝統だった。朝日新聞などが同日伝えた。
AFP通信によると、国内でストライキ予告があった地方の主要都市を中心とする全国89都市で交通が乱れ、地下鉄では通勤時間帯の乗客がほとんどいなかったという。教育機関でも教師のストライキで小中高校の一部が休校となるなど混乱した。直前の世論調査で55%が「休む」と答えたように、有給休暇を利用して大半の社会人が休んだ。
ラファラン首相は2003年夏の猛暑で老人約1万5000人が死去したことを受け、「国民の勤労日を1日増やし、これで増える17億ユーロの税収を老人医療や障害者支援に充てる」と発表していた。「休日返上の日」は、労働者が事実上「1日タダ働き」することになる。
29日に行われる欧州憲法の是非を問う国民投票で、政府批判が投票に影響する可能性も出ている。
朝日新聞によれば、一部には働かないことへの後ろめたさもある。個人タクシーは休日の割増料金を決めたが、高齢者や障害者は平日料金を適用。老人ホームに扇風機を寄付してストに突入する郵便局もある。