米メディアによると、植物状態が15年にわたって続き、州裁判所の命令に従い栄養補給装置を18日外された米・フロリダ州の女性テリ・シャイボさん(41)について、同州の連邦地裁は22日、補給装置の再装着を求めていた両親の訴えを棄却した。両親側は22日、上訴した。 テリさんが入院する病院前では、クリスチャンらがテリさんの生命を守ろうと栄養補給の再開を求めて祈りとデモを続けている。(写真)(ロイター)
テリさんの尊厳死をめぐって、米上下両院は21日、復活祭の休暇返上の徹夜審議で尊厳死阻止の特別法案を可決。司法の判断に議会が介入するという異例の事態となった。しかし、休日を返上してテキサス州の自宅からホワイトハウスに急きょ戻ったブッシュ大統領は「重大な疑問がある場合、社会や法律、裁判所は人命を最優先にするべき」と判断、同日、即座に法案に署名した。(AP)
テリさんは90年に心臓発作を起こした際、一時的な血流停止に伴う酸欠で脳障害を受けた。自発呼吸ができ臓器は機能しているが、明確な意思表示がなく、栄養と水分の補給で生き延びていた。
だが、テリさんの法的な保護者に選任されている夫のマイケル・シャイボさんは「(栄養補給は)テリさんの(死ぬ)権利の侵害」と尊厳死を主張、栄養補給管を取りはずして妻のテリーさんを餓死させるよう求めている。
栄養補給装置が外された状態が続けば、シャイボさんは1、2週間で死亡する。