多数の人々が「キリスト教の真実ここにあり」として論争を呼んだ歴史ミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」をめぐる公判が伊・ヴィンチの地方裁判所で開かれている。米クリスチャンポスト紙が23日(現地時間)報じた。
同紙によると、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を多く所有するレオナルド美術館のアレッサンドロ・ベッツォーシ館長は開廷後、陳述で「本書(ダ・ヴィンチ・コード)の誤りの部分や非論理的ポイントを示す物的証拠がある」と発言した。作品に対し異議を申し立てたプロテスタントの保守派や一部ローマ・カトリック教会司祭は、同書が描写するキリスト教史は正確でないと主張する。
著者ダン・ブラウンは、主人公のハーバード大教授(宗教象徴学専攻)、ロバート・ラングドンが架空の人物であることを明かしているが、それ以外はすべて事実と主張する。
作品を弁護する団体等は現れていないが、数百人の読者が公判の傍聴に訪れているとのこと。
「ダ・ヴィンチ・コード」は米国内で約700万部の売り上げを記録し、日本でもベストセラーとなった。2006年にはハリウッド映画として全米で公開されることが分かっている。トム・ハンクス(48)が演じる予定で、原作が世界的なベストセラーとなっただけにハリウッドでは早くも大ヒット間違いなしとの声が出ている。一方、福音派クリスチャンらは「キリスト教に対する誤解が蔓延して、人々の信仰を揺るがす可能性がある」と懸念する。