全米最大の福音派教会、南部バプテスト連盟が米国史上最大の超教派連合体に参加しない方針を固めたことが分かった。
新連合体『合衆国キリスト教会連合体(Christian Churches Together in the USA)』は、米国のキリスト教指導者たちが従来のNCC(米国教会協議会)やNAE(米国福音連合)より広範な連合を目指し3年前に結成を目指す動きが始まった。昨年1月29日NAE加盟教会、NCC加盟教会、ペンテコステ派、カトリック教会の各派の加入を目指して30教派の間で結成の合意がなされ、05年内に公式発足を控えている。
加入への誘いを3年越しで断った南部バプテスト連盟は「超教派運動は教派間の対話実現と引き換えに参加者の教理的信仰を犠牲にさせる傾向がある。特に救いに関する教理や信仰の異なる団体とそれが出来ない団体に対しては対応が厳しい」ことを非加入の理由としている。同連盟の北米宣教委員会(North American Mission Board)の広報担当者がReligion News Service誌に対して語った。
NCC加盟教会のほとんどとNAEの一部教会は既にCCT加入を決めているほか、ローマ・カトリック教会も先月加入の意向を表明した。自由主義派と福音派を含むプロテスタント諸派とカトリック教会の連合が実現する初の団体として注目されている。
だが、単独で800万人の会員を有する南部バプ連盟の加入が危うくなった今、米キリスト教の共通の声として発足しようとしていた連合体の設立理念の達成は非常に困難となる。
CCTの運営委は南部バプ連盟の未加入について「もちろん、彼ら(南部バプ連盟)の決断は我々の期待するところと異なるが、予想できる範囲」と話し、「諸団体を代表する教会の参加を強く願っていたのだが」と無念さを隠しきれない。
連盟はこの3年間、実行委の会合にオブザーバーを派遣しているが、発言など積極的な参加は一度もなかったという。
米国改革派教会理事長でCCT運営委委員長のウェスレー・グランバーグ・マイケルソン牧師は米クリスチャンポスト誌の取材に対して「多様な意見が集まる場所では、同意できないことも多々あるだろう。だが、わたしたちが一致を見出すことができる場が必ずあると思う。わたしたちがそこに達したとき、それは大きな力となるはず。CCTに参加する教会のほとんどは、教会同士の信頼と一致の必要を痛いほど感じているはずだ」と述べた。