[国際 20日 CP]米国務省が15日に宗教の自由に関する世界各国の現状をまとめた2004年版報告書を発表したが、ベトナム、中国、ミャンマーを含む数カ国がこれを強く批判していることが分かった。報告書は、宗教弾圧を行っている「特に懸念のある国」のリストに、サウジアラビア、ベトナム、エリトリアの三カ国を新たに加え、昨年の北朝鮮、中国、ミャンマー、イラン、スーダンと合わせ八カ国を挙げている。
国務省は1998年に制定された「宗教自由法」に基づいて翌99年から年次報告書を作成。フセイン政権が崩壊したイラクは今年初めに除外した。今年加えられたベトナムについては、宗教団体の結成を制約していると非難している。
ベトナム政府はこれに対し「誤った情報と国内情勢の無知による愚かな判断」とし、「(米政府は)安定と調和を目指すベトナム政府と国民の努力を妨害している」と批判している。
これまで、ハノイの米大使館と現地の役人との間では、政治や宗教的反体制者として逮捕拘束された囚人の処遇を巡ってしばしば衝突が起こり、人権問題に関する両国の意見には対立が見られる。
ベトナムでは、今年4月の復活祭の週末に数百人の少数民族キリスト教徒によって宗教的抑圧と土地の収奪に対する平和的デモ抗議運動があり、公安との衝突で逮捕者のほか死傷者が出た。ベトナム外務省報道官は、抗議行動は「海外からの扇動」によるものと非難した。
昨年年9月以来、ベトナム当局はキリスト教徒への攻撃を強めている。公安による中部高原での弾圧や南部の家庭教会住居の破壊と強制連行が多数目撃されている。報告書によると、当局は現在少なくとも44人が宗教犯として逮捕拘束されており、11人が宗教活動を理由に監視下に置かれている。(ChristianPost.com)