[ニューヨーク 1日 CP] 8月30日に開幕した共和党の全国大会の2日目、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領率いるブッシュ陣営が、保守派の宗教者を招き非公式で「信仰と家庭と自由の集会」を行った。米大統領選で再選を目指すブッシュ大統領を「信仰の人」として印象付けるかたちとなった。
著名人による演説で支持者の幅広さを最大のアピールポイントとしている大会ではあったが、会場脇の小さな部屋で行われた非公式集会では、福音派や保守派の指導者たちは、彼らや彼らの価値観が捨て去られていないことを確認した。
救いを経験したキリスト者であるブッシュ大統領は、ビデオ録画された演説の中で、妊娠中絶や同性婚という福音派や保守派宗教者たちが注目する2つの課題について、反対・禁止の意向を再度、明言した。
ブッシュ大統領はこれまでもこれらの課題について反対の立場を保持してきた。2001年8月には、同年同月9日以降に採取された胚性幹細胞(ES細胞)を使用する研究に対する資金提供を停止し、03年11月には部分分娩中絶(※1)を禁止する法案に署名し成立させた。結婚を異性間に限定し同性同士の結婚を禁止する合衆国憲法の制定にも取り組んできた。
大統領はビデオ演説の中で、「命の文化を育むこと」と「信仰者に対する迫害の終息」を約束した。
プロライフ団体アメリカン・ライフ・リーグからの出席者はAP通信に対し「この集会で、ブッシュは信仰の人として印象付けられた」と述べた。
集会にはジェリー・フォルウェル氏らキリスト教界の著名人が多数参加した。フォルウェル氏は大会1週間前、サンフランシスコの地元紙によるインタビューで「歴代の大統領の中で、ブッシュ大統領ほど保守福音派に愛された人はいなかった」と語った。
キリスト者に対するもうひとつのアピールとして、集会では南部バプテスト連盟のジャック・グラハム前総主事や非営利組織 Focus on the Familyを創始し代表を務めるジェームズ・ダブソン博士直筆の推薦状が配布された。
ダブソン氏は推薦状の中で「私はブッシュ大統領に一票を入れる。ブッシュ大統領は、我々の時代における重大な倫理道徳問題の理解者だ」と述べている。
※1 部分分娩中絶(Partial-birth Abortion)= 妊娠後期に胎児の頭部を子宮内に残して全身を母体の外に引き出し、胎児の脳を吸い出して中絶する手法。03年11月にブッシュ米大統領がこの中絶方法を禁止する法案に署名し、成立したが、同法に対して一部の医師や女性の権利団体などが強く反発している。(ChristianPost.com)