ロイター通信によると、イラクの首都バグダッドと北部モスルで1日、キリスト教会が連続して狙われた爆破テロによる犠牲者は、少なくとも死者15人、負傷者65人以上となった。また、共同通信は11人が死亡し50人以上が負傷したとしている。イラクのイスラム・グループが犯行声明を発表しており、今回の攻撃は米国の「十字軍戦争」や福音伝道にこたえたものとの声明として報じられている。
テロは教会4か所で30分以内に連続して起こった。日曜日の礼拝の最中だったため被害が拡大した。また、ロイター通信はイラク警察が5か所目の教会付近で爆破装置を発見し処理した、と報じた。
ロイター通信によると、この攻撃について、イラク暫定政府のルバイエ顧問は、国際テロ組織アルカイダ幹部とされるアブムサブ・ザルカウィ氏のグループによる犯行との見方を示し、「彼らはキリスト教徒を国外に追い出そうとしている」と述べた。同国のクリスチャンの間で生命への危険を感じ国外に脱出しようとする動きが出るなど、動揺が広がっている。
世界教会協議会(WCC)のサムエル・コビア総幹事は「宗教的共同体を含む一般市民を暴力の標的とし、宗教対立を引き起こそうとする悪質な行為」と非難。中東教会協議会(MECC)も「歴史と国家を共有するイラクのイスラム教徒とクリスチャンの間に亀裂をつくろうとする邪悪な行為だ」と述べ、特定の宗教信者を標的にしたことを糾弾した。