【CP】米国キリスト教協議会(NCC・USA)のボブ・エドガー総幹事が14日、ワシントンD.C.の国会議事堂前で市民的不服従と抗議運動の容疑で逮捕された。エドガー氏はスーダン大使館前で約50人の参加者とともに、国際世論をスーダンの大量虐殺事件へと向けさせる目的でデモ活動を行っていた。
逮捕の理由となったデモ活動は、スイスに本部を置く国際NPO団体、クリスチャン・ソリダリティ・インターナショナルが協力して行っていたもので、エドガー氏ら参加者はスーダン大使館前で6月30日から毎日デモを行っていた。参加者はこの活動で、米国政府とブッシュ大統領に対しスーダンで現在起こっている大量虐殺を公表し、早急な行動に出るよう要求していた。
エドガー氏は同日釈放されたが、釈放後「逮捕されてでも人々の関心をこの緊急事態に向けさせなければならない」と述べた。同氏は、日増しに悪化するスーダン国内の現実を受け止めて国際的に取り組む必要があると述べ、正義に対する政府の行動の鈍さを強く批判した。
米国NCCは、罪なきスーダン市民の悲惨な死を阻止するよう世界各国に協力を要請している。今月始め、国連のアナン事務総長は現地を訪問し、報告されている数千人の行方不明者の捜索にあたった。チャーチ・ワールド・サービスやワールド・リリーフらキリスト教団体は医療支援と精神的支援を積極的に行っている。
海外メディア各紙によると、国連は、大量虐殺によって既に1万人が死亡し、隣国チャドへ逃げた難民は15万人以上で、国内で発生した難民は100万人を超えるとの見込みを発表した。スーダンのダルフール地方では、現在もアラブ系民兵組織がアフリカ系住民に対して襲撃、殺害や暴行、略奪や拉致を行っており、被害は今後も拡大すると見られている。
エドガー氏は逮捕後、罰金を支払って釈放された。米国NCCによると、NCCは今後も抵抗運動を継続するとのこと。(ChristianPost.com)