【CP】米国の政治評論家たちは、大統領選などの投票に意欲的なキリスト教徒はキリスト教人口の半数に満たないと見ている。保守・自由主義両派はクリスチャンに対し投票に参加して自己の価値観や信条に合致する候補者を選ぶよう呼び掛けており、政治への積極的な参加では両派に一致が見られる。
全米最大の福音派団体である米国福音主義協議会(National Association of Evangelicals)は先月発表した声明の中で、保守的なクリスチャンも世界の超大国である米国の政治を正しい方向に導くべきだ、と述べている。
1600万人の会員を擁する米国最大の福音派教団である南部バプテスト連盟(Southern Baptist Convention)は、諸教会が投票手続きを一括して行える専用プログラムを配布する目的で、ウェブサイト(ivotevalues.com)を公開した。サイトには「候補者に投票して自分の価値観を堅持しよう」という標語が掲げられている。
NAEとSBCは特定の政党を指定していない。だが、メソジスト教会員であるジョージ・W・ブッシュ大統領は同性愛やテロ、人工中絶に対する保守的立場を保っており、福音派団体から圧倒的な支持を得ているという。
NCCは候補者を選ぶ基準として10項目を提示しており、戦争、貧困、移民、教育、健康、民族の多様性、内陸都市や地方共同体における経済的困窮、環境、刑事司法制度といった課題に対する「超教派的方針(Ecumenical Principles)」としている。福音派が重要視している課題がNCC提案の項目に含まれていない点も特徴的だ。
NCC権利と主張委員会のマイケル・カイナモン委員長は「これは派閥を生み出そうというのではなく、これまでも超教派で取り組みがなされてきた共通課題を提起することで、大統領選の手引きとなることを願ってのものだ」と話している。このほか、NCC側が提案を願っていたが、教会間で一致が見られない同性結婚や人工中絶といった課題もあったことを認めた。
NCC総幹事のエドガー氏はコメントし、「NCCは選挙を通して投票者、団体、教会が市民としての義務責任について熟考するよい機会だと信じている。教会と国家は別個であるべきだが、信仰をもつ人々はもっと行政に関心をもち、与えられた権限と善悪の判断力をもって投票するべきだと信じる」と述べた。(ChristianPost.com)