日本バプテスト連盟(本部・埼玉県さいたま市)は今月、同連盟から国際ミッション・ボランティアとしてルワンダに派遣されている佐々木和之氏と現地団体代表による報告会を各地で行った。加藤誠・同連盟常務理事や事務局の話などでわかった。
佐々木氏は今回、同連盟の定期総会の出席と活動報告のため帰国。同氏が現地で参加する非政府組織(NGO)、リーチ(REACH)のフィルバート・カリサ総主事も一緒に来日し、現地の活動を東京、広島、福岡、静岡で報告した。
佐々木氏が参加するリーチは、大虐殺直後にルワンダを訪問したカリサ氏が、現地の惨状に衝撃を受け、加害者と被害者の和解と癒しを目的に1996年に設立した。
人口の82%がキリスト教徒である同国で、1994年4月にフツ族とツチ族間の抗争が発生。隣人同士による殺し合いや無差別殺人などで、わずか100日間で80万人以上の人々が殺害された。多くの教会の礼拝堂でも虐殺が行われたという。
設立以降、リーチは、両部族間の対立の緩和、和解のプログラムを実施している。実施中のプログラムには、虐殺の加害者である元服役囚が家屋の建設などに参加する「償いのプロジェクト」や、被害者の通う教会や自宅に加害者を招き、礼拝で一緒に祈り、神様を賛美したり、工芸品を作って交流を試みたりする過酷な企画などがある。
佐々木氏は大学で熱帯作物学を学び、1988年、日本国際飢餓対策機構からエチオピアに派遣され、現地の農村自立プログラムに従事。平和学の学びのため英国に留学中、現地調査のためルワンダを訪問し、現地で奉仕をすることを決意した。2005年10月に同連盟からミッション・ボランティアとしてルワンダに派遣され、現地で精力的に活動している。
佐々木氏とカリサ氏は今後も当面滞在するが、今後の予定に関する詳細は今のところ、得られていない。