日本最古の歴史と伝統を持つといわれる超教派の聖会「関西聖会」(工藤弘雄委員長)が1日と2日、大阪市内にある岸之里キリスト教会(畑野基牧師、日本フリーメソジスト教団)で開催された。今年は、00年に沖縄で開かれた第4回日本伝道会議(JCE4)で副実行委員長を務めた、インマヌエル綜合伝道団前総理の竿代信和牧師が講演。全4回の集会で延べおよそ260人が集まった。
この聖会は1895年(明治28年)春の京都嵐山での祈祷聖会に端を発するとされている。3年後に大阪で開かれた聖別会には河辺貞吉夫妻、竹田俊造、秋山由五郎、土肥修平、御牧碩太郎、バックストン、翌年には米田豊、奥田常三郎、都田友治朗、三谷種吉、笹尾鉄三郎、ウィルクス・カウマン、中田重治など当時のキリスト教界の名だたる指導者が参加。戦後1948年(昭和23年)からは能勢歌垣の関西聖館で毎年開かれてきたが、100回記念後に大阪・放出そして岸之里へ会場を移転。今回で108回目を迎える。
竿代師は今回の講演ために長い歴史の中で積み重ねられ受け継がれてきた同聖会の説教の伝統を研究。そのポイントを同師がさらに吟味し21世紀を迎えるこれからの教会、信徒へ向けた新しいメッセージとして説いた。
竿代師は107回にわたるこれまでの聖会の伝統からメッセージのポイントを3つに絞った。
まずは「聖霊の満たし」。竿代師は、これを「聖霊のバプテスマ」と表現し、「まもなく聖霊のバプテスマを受ける」(使徒1:3〜9、2:1〜4)と題して説教。「聖霊のみたし」が、個人の中に決定的な転機を与えることを強調した。
次に、「キリストの内住」。天地万物の創造主である神が、一人の人格者として信仰者に歩み寄り、その内に住むことの驚くべき恵みを伝えた。自己中心的な姿を捨て、自分の中心に、変わりにキリストを迎え、主にすべてをゆだねるときにこそ、キリストが彼の中に住む。そして、そこから開かれていく、自分がキリストに似たものにつくりかえられていくという、信仰者が歩むべき聖化の道を説いた。
最後は、「キリストの証人となる」こと。使徒6:1〜10、1:8から、初代教会最初の殉教者ステファノを例に、キリストの証人になることは、実生活においても聖霊に満ちていること、主が自分に何をしたのか、そのあがないの恩恵を覚え、「こんな自分のために」という思いで、よき証し人になるようにと説いた。
インマヌエル綜合伝道団から講師を招くのは今回が初めて。参加者は、「新しい風、新鮮だった」「従来の型にはまったものと違い、信仰者の地に足ついた内容だった」と講演の感想を話し、新たな教会協力の広がりを喜んだ。