日本の霊的変革を求めて、牧師、宣教師、ビジネスマンなど幅広いメンバーで構成される「エリヤ会」主催のシンポジウムが17日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンター(OCC)で開催された。テーマは「牧師への提言」。4人の著名な講師が様々な切り口で、停滞する日本宣教の現状を打破する突破口を探った。
講師は、全日本宣教祈祷運動運営委員長の三森春生牧師(イムマヌエル王子キリスト教会)、元カネボウ薬品会長で神木イエス・キリスト教会伝道師の三谷康人師、全国小牧者訓練会協力主事の鮫島紘一牧師(国際福音キリスト教会)、日本福音宣教師団(JEMA)会長のレイ・リーフ師の4人。総動員伝道代表の姫井雅夫牧師(日本キリスト教団赤坂教会)がコーディネーターを務めた。
最初に三森春生牧師が「日本の教会の存在価値を問う」と題して、日本の一般社会がキリスト教に抱く高い期待度を検証し、教会がそれにどう答えていくかという視点から日本の宣教戦略を探った。
三森師はまず、日本宣教に関する研究・調査資源の共有の必要性を訴えた。その中で、?宣教、伝道、教会成長、その他を目的とした組織、団体、機関の連絡の強化、?日本宣教に関する研究成果、報告資料を召集して相互利用できる環境の整理、?日本宣教に関する人材交流を図り、重要課題を選んでの共同研究などを具体例として挙げた。
また、祈りの運動全国ネットワークの形成が重要だとし、具体的な例として「朝祷会全国連合」(米田昭三郎会長)や自らが運営委員長を務める「全日本宣教祈祷運動」などの活動を挙げ、これら超教派伝道諸団体の再編成を呼びかけた。
三森師は最後に宣教推進プログラムを提唱し、宣教における選択と集中の必要を訴えた。まず、宣教的見地、地政学的見地からクリスチャン人口が多い地域を選び、そこを宣教優先推進地域「宣教特区」とする。そこで当該地域にある教会の協力体制を作り、協力伝道、協力事業を集中的に展開。さらには当該地域の行政機関、公共機関、そして地方議員へのクリスチャン進出を目標にするというこれまでにない画期的な提言となった。
今回のシンポジウムでは、他にも元カネボウ薬品会長の三谷康人師、全国小牧者訓練会協力主事の鮫島紘一牧師(国際福音キリスト教会)、日本福音宣教師団(JEMA)会長のレイ・リーフ師が、それぞれに画期的、かつ挑戦的な宣教戦略を提唱した。
4人の発言者による講演の後、参加者を交えてのパネル・ディスカッションが行われた。4人の提言を具体的にどのように実際の活動に適用させるのか、また実際にこれらの役割を誰がどのように担うのかなどの具体的な宣教戦略が活発に話し合われた。
集会の最後にコーディネーターの姫井雅夫師は、何よりも「これらを実行に移すことが大事」であると全体をまとめ、日本の霊的変革が起こされるための働きを実際になしていこうと教会指導者たちに訴えた。