ビリー・グラハム伝道協会アジア局長ヘンリー・ホーリー師が15日、東京・新宿区の淀橋教会(峯野龍弘牧師)で開かれた母の日特別礼拝で特別講師として招かれ、「ナオミ"模範の力"」(ルツ1:16,19−22)と題して説教した。
ホーリー師は、1966年よりビリー・グラハム伝道協会に勤務し、日本においては、80年、94年と国内各地で行われたビリー・グラハム国際大会を成功に導いた。今回の来日は今年11月の沖縄フランクリン・グラハム国際大会準備が目的であり、淀橋教会での説教は、過去2回のビリー・グラハム国際大会で馴染みの深い淀橋教会でぜひ礼拝をささげたいというホーリー師の願いから実現した。
淀橋教会は、67年のビリー・グラハム東京国際大会で、当時主管牧師であった小原十三司師が祈祷委員長、峯野龍弘師(現主管牧師)は東京西地区主事並びに会場委員会委員長付きの役職につき、80年の大会では峯野師が全国委員会の総務、並びに広報宣伝委員長を務めた。さらに94年「ミッション'94ビリー・グラハム東京国際大会」では峯野師が大会実行委員長を務めた。
本文の旧約聖書ルツ記には、ナオミとルツという2人の女性が登場する。ナオミはルツの姑で、ルツはもともとユダヤ人でなく異邦人であった。ホーリー師は説教の中で、ナオミのもつ信仰の素晴らしさ、そのナオミがルツに与えた影響力の大きさについて語った。
ルツは本文の箇所で大きな決断を迫られた。移住した地で夫と2人の息子を失い、さらに故郷ユダの地で飢饉が終わったことを知ったナオミは、故郷に帰る決心をする。ナオミは、移住の地で迎えた息子の嫁ルツの幸福のために、ルツの故郷で同族と再婚し、新しい生活をするようルツに勧めた。しかし、ルツは、自分の故郷を離れてナオミに同行するという苦しい道をあえて強く望み、結局、ルツはナオミとともにユダの地に入ることとなった。
ホーリー師は、ルツがそれほどまでにナオミに従おうとした理由について、ルツがナオミの素晴らしい信仰の姿から、ナオミにあった力の源を見たのではないかと語った。ルツは本文でナオミに、「あなたの神はわたしの神」(1:16)だと告白している。ナオミを通してルツは、神を見たのである。
ここからホーリー師は、母が他の人にもたらす偉大な影響力について語った。また、「神を信じるあなたの中に、人はイエス・キリストを見出すでしょうか」と会衆全体に問いかけ、頭と心の両方で十字架の恵みを受け入れて信じ、自分の信仰の姿を通して忠実にキリストの恵みを伝えていく真の信仰者の姿を説いた。そして、「十字架からこそ、まことの家へと帰る道がみつかります」と、主の十字架が、神から引き離された人間が救われる唯一の道であることを伝えた。