茨木のり子さんの叙事詩「りゅうりぇん れんの物語」を歌う公演が17日、東京・下北沢で行われ、クリスチャンシンガーの沢知恵さんが出演する。この公演は、昨年12月のラカーニャ季節公演「いいうたいろいろクリ スマス」で初めて演じられたあと、今回2回目。
「りゅうりぇんれんの物語」は、大戦中、日本軍に強制連行された中国 人、劉連仁(りゅうりぇんれん)の北海道での逃亡生活をつづったノンフィクションの壮大な叙事詩。
創作した茨木 のり子(いばらぎ のりこ、1926年6月12日 - 2006年2月19日)さんは、同人誌「櫂」を創刊し、戦後詩を牽引した日本を代表する女性詩人にして童話作家、エッセイスト、脚本家。戦中・戦後の社会を感情的側面から清新的に描いた叙情詩を多数創作した。主な詩集に『鎮魂歌』、 『自分の感受性くらい』、『見えない配達夫』などがある。また『私が一 番きれいだったとき』は多数の国語教科書に掲載され、彼女の最も有名な詩のうちの1つである。
沢知恵は、神奈川県で日本人の父と韓国人の母の間に生まれた。父・沢正彦は戦後日本人として韓国に初めて宣教師として渡った日本基督教団の牧師。母・金纓も同教団牧師、世界教会協議会(WCC)、スタッフ、同志社大学神学部嘱託講師を歴任。両親と共に韓国、米国、日本と移り住み、クラッシック、 ゴスペル、ジャズなど様々な音楽と触れる。本場米国でゴスペル音楽を聞いて育ち、クリスチャン・シンガーとして活動中。98年には、第40回日本レコード大賞アジア音楽賞受賞。2001年より毎年香川県ハンセン病療養所大島青松園で無料コンサートを開いている。