舞台バルジライプロジェクト公演『クォ・ヴァディス』が2日午後2時半より、東京都品川区の六行会ホールで開演した。
バルジライプロジェクトとは、株式会社タイムズイン21が聖書に題材を得て、世界に適用する舞台作品の制作を目指したもので、一昨年の『キンネレテのさざ波』、昨年の『十戒・序章』に続き、今回が第3弾となる。
『クォ・ヴァディス』とは「主よ、いずこにおわします」の意。クリスチャンが激しく迫害された皇帝ネロ時代のローマ帝国を、ローマ軍団長マーカスとクリスチャンの皇女リジアとの恋愛を交えてダイナミックに描いている。
この企画のきっかけは同社代表取締役・齋藤佳雄氏が20年前ダラスでミュージカル『プロミス』を観劇した際にイエス様の世界を映画にしたいと思い立ったことであった。それから同氏は祈り続け、実に18年後の一昨年秋にKKメーカーズカンパニー・松岡博社長がその思いに共感し、マグダラのマリヤを通して見えるイエス様の愛をテーマにした第一作目『キンネレテのさざ波』の完成が実現した。
齋藤氏は、「今作で『イエス様の時代』、『旧約時代』、『新約時代』の三部作が完結し一段落を迎えた。また今回は多くのクリスチャン信徒から応援をいただき、また今までで一番反応が良い。次回はさらに規模をグレードアップしていき、二十六聖人やダヴィンチをテーマにもっと一般向けに広げていきたい」と語った。
また企画の渋谷悠氏は、「クリスチャンすぎるものは一般の方にとって逆効果。まずは楽しんでほしい。そして楽しんだ結果、もう少し考えてほしい。『クォ・ヴァディス』は聖書の登場人物を通して、そのうまい中間を見つけて描かれている」。
出演者のほとんどがノンクリスチャン。「これは人生に影響を与えるものだと感じた」とその1人は語った。演技を通してキリスト教の犠牲愛の世界に触れ、俳優とまたそれを見る観客が共に十字架に手を伸ばす体験は今だかつてなかった新しい伝道の扉を開く。