1603年に熊本県の八代(現在の同県ハ代市)で夫を殉教で失った女性キリシタンを題材にしたオペラ『アグネス』の出演者発表会が1月25日、同市西松江城町の厚生会館で行われ、出演者をはじめ関係者や報道陣約80人が集まった。
『アグネス』は、夫の殉教後も信仰を守り通した女性の生涯と、周辺の人間模様を、芝居、独唱、合唱で表現する。当時、八代で多くのキリシタンが殉教した。1783年、八代の殉教を主題にイタリアで創作された歌劇の脚本が最近、国内で見つかったのを機に、市民オペラが企画された。
『アグネス』は文化団体「ハ代市の歴史と文化を考える会」(藤永勝利会長)が企画。51人が出演する。オーディションは、昨年8月と同11月の2回行われ、ハ代市を中心に多くの市民が応募した。
発表会には、主人公の県嘱託職員松岡優子さん(29)=城南町=やその独唱を担当する荒巻小百合さん(34)=東京都=らが出席した。荒巻さんは「「いい舞台にしたい。母の出身地で歌うのが楽しみ」と抱負を語った。
上演は、2007年11月9−10日(八代厚生会館)、熊本市民会館(12月14日)を予定している。問い合わせは同会事務局(電話0965・34・5208)まで。