近畿大学(大阪府東大阪市)の米田博幸教授(鋳造工学)の研究グループが、直径が1メートルを超える世界最大級の「魔鏡」を作製し、16日に国立科学博物館(東京都台東区)で一般公開した。光を当てると壁に巨大な「和」の文字が浮かび上がった。
「魔鏡」は紀元前100年に中国で初めて作られ、日本では江戸時代に「隠れキリシタン」がキリストの像を映し出し、ひそかに信仰の対象としていた歴史がある。
今回研究のために作られた「魔鏡」は、壁に「和」という文字が浮かび上がる、直径約1メートル、重さ約80キロのステンレス製。「和」の文字を彫り込んだ鋳型にステンレスを流し込み、鏡の表面をナノ(ナノは10億分の1)メートルの精度で丹念に磨いた。