5月3日、4日、5日とホテルニューオータニ東京で開催されている国際聖書フォーラム2006の一環として、4日、ヴァイオリニストでクリスチャンのジョン・チャヌ(丁讃宇)さんによるヴァイオリンコンサートが行われた。ヴァイオリン演奏はピアニストの矢島吹渉樹さんのピアノ伴奏に伴って行われた。
女子フィギュアスケートで金メダルを獲得した荒川静香選手がイナバウアを決めたとき、背後に流れていたトゥーランドット「誰も寝てはならぬ」、日本の豪雪地帯で湖の氷が解けず、白鳥が南下してきたことを話してチャイコフスキー「白鳥の湖」を演奏するなど、トークを交えながら名曲を披露した。
ジョン・チャヌさんは、韓国人の両親の元に日本で育てられた。そのために日韓の友好関係を人一倍願っている。コンサートの中で、日本で大ヒットした韓国ドラマ「冬のソナタ」の主題曲を演奏しながら、「このドラマを出発点にさらなる日韓の友好関係が築けるように」と願った。
また、2001年JR新大久保駅で、酔ってホームに落ちた男性を救助しようとして死亡した韓国人と日本人男性の事故を知ったとき、自分の命も危ないときに何の躊躇もなく他人の命を助けた出来事の背後に、何かを感じとったという。そして彼らの偉業を褒め称えたいという強い衝動に駆られ、ついに新大久保駅で追悼コンサートを行った。その後、ある高齢の引退牧師がジョン・チャヌさんの列車事故に寄せる思いを綴った記事を読み、直接会って、聖書を勉強するよう強く勧めた。その引退牧師から毎日聖書を勉強し、その後1年半でクリスチャンになった。
「以前は舞台に立つと時折言い知れない緊張感に襲われたが、クリスチャンとなってからはどんなに大きな舞台に立っても、常に自分の背後にイエス様がいてくださる、たとえミスをしてもイエス様が責任を負ってくださると思うことでまったく緊張せずに演奏ができるようになった」とクリスチャンとなった自らの証しを語った。
最後は客席からのアンコールに応え、これからの子供たちが愛を受けて育つことを願ってゴスペル・ソング「きみは愛されるため生まれた」を演奏。客席へ多くの感動を与えながら、コンサートは大盛況のうちに終わった。