聖書に記されている6日間の天地創造をそのまま信じるに値することとし、聖書が非科学的ではないことをわかりやすく伝えることで信仰者や求道者を励まし、聖書信仰への確信を与える手助けを目的として活動する創造論伝道団体クリエーション・リサーチ・ジャパン(以下CRJ)は31日、お茶の水クリスチャンセンター(OCC)8Fホールにて、「ノアの大洪水から学ぶ」をテーマに春の一日セミナー2007を開催した。クリスチャン・ノンクリスチャン問わず、創造論を学びたいと願う170人以上が参加。CRJ理事の奥山実師(宣教師訓練センター所長) が「クリスチャンはなぜ創造論を知る必要があるのか」という題目でオープニングメッセージを伝え、セミナーが開幕した。
奥山師は、創造論を知る必要性について認識するためには「まず救われなければならない。救われてから段々聖書的になり、聖書がわかるようになる」「聖書が全部わかった後にクリスチャンになるわけではない。ただイエスを信じるならばクリスチャンになることができ、あなたは救われる」と述べ、イエスを主として受け入れることが第一に優先されるべきであると説いた。
しかし、聖書を深く知ろうとする過程において必ずぶつかる問題が創世記1章に記されている「6日間の天地創造」だ。なぜなら、この「創造論」が学校教育過程において一般に教えられている「進化論」とぶつかるからだ。「学校で一生懸命勉強した人ほど乗り越えることが大変なのが進化論の問題」と奥山師は語った。実際に、進化論を信じるために創造論を廃棄し、聖書の記述を受け入れることができず神の存在を否定する者は世界に少なくないという。
ダーウィンが唱えた進化論を推奨しようとするのは生物学者だと思われがちだが、「実際は社会学者たちが進化論を自分たちの基礎理念として利用し、推奨したのです」と奥山師は語った。奥山師によると社会学者たちは進化論を社会学に適応させ、「人類が進化の過程を経たように社会も次第に進化してよくなっていく」と考えたという。奥山師はそのような社会学者たちの理論は「壮大なるだまし」であるとして強く批判した。
では、進化論的な考えが主流になっている現代社会において神の創造を信じるクリスチャンたちはどのように立ち向かっていけばいいのか。奥山師は、「聖書は聖書で解釈するのが聖書解釈の原則です。 6日間の創造はそのまま受け入れるに値するものです。聖書解釈上は6日間の創造が正しいのです」と述べた。つまり、神のみことばをそのまま文字通り受け入れようとする「信仰」があらゆる疑問と戸惑いを払拭してくれるということだ。
しかし問題は、神の存在は認めるが創造に関する聖書の記述を信じることが出来ない聖書学者や牧師たちが世界に数多く存在するということだ。「彼らはたくさん勉強しすぎたために『壮大なるだまし』に騙されてしまっている」と奥山師は語った。
奥山師は「神の存在は認めるが、神による創造を認めることができなかった」人物として、ロシアの小説家で思想家のドストエフスキーを例にあげた。ドストエフスキーは、「なぜ神が造った天地万物に矛盾があるのか。なぜ戦争があり、なぜ破壊があり、なぜ自然災害があり、なぜ犯罪があり・・・」と神学者たちに疑問を投げかけたという。しかし奥山師によると、当時のロシアの神学者たちは誰も彼の質問に答えることができなかったという。
奥山師はその理由について「誰も聖書を文字通り信じようとしなかったからです」と主張。さらに同師は創世記1章31節のみことばを取り出し、「この天地万物は神さまにとって『非常に良かった』ものだったのです。この地にはすばらしい調和がありました。自然災害も争いも死もありませんでした。しかし、アダムとエバの罪によりこの完全な世界に呪いが入ったのです。今私たちは、『神が造った天地』ではなく『呪いの入った天地』を見ているのです」と説明し、「だからこそクリスチャンは創造論をよく知らなければならない」と結論付けた。
奥山師のオープニングメッセージの後には午前のセッションが行われ、CRJ理事の安藤和子氏と宮本武典氏が、ぞれぞれ「箱船に入った動物たち」、「箱船から出てきた動物たち」という題目で講義を行った。