朗読家、庵原万喜子さん(いおはら まきこ、京都聖書教会教会員)のチャリティー朗読CD「メタノイア」(税込2100)が「社会福祉法人ミッションからしだね」設立準備会(坂岡隆司代表)から4月30日に発売された。CDの収益金は、京都市に来春開設予定の精神障害通所授産所(コーヒーショップ)などの建築資金の一部に当てられる。
収録作品は、宮沢賢治「よだかの星」、聖書の詩篇23篇、病者の祈り(ニューヨーク・リハビリセンター研究所の壁に書かれた無名兵士の祈り)など。BGMのピアノはロゴス企画代表の岸本宗也さんが担当した。
庵原さんは、三浦綾子・召天2周年メモリアル・フォーラム(2001年)で「氷点21」の作品朗読で鮮烈デビューを果たし、「魂の朗読者」と絶賛されている。現在は、ラジオ大阪「VIPアメージングインタビュー」でラジオレターの朗読や、視覚障害者のボランティア活動なども精力的に行っている。
「メタノイア」とは、ギリシャ語で「痛みを共感する」「人の痛みのわかるところに視点を移し、そこから判断してごらん」という意味。ラジオ大阪で5月12日オンエアされたインタビューの中で、CDについて、庵原さんは「弱さを感じている人に聴いてもらいたい」と述べ、身体的・精神的な弱さを感じている人の励ましになればとの願いを語った。
そう語る庵原さん自身にも障害がある。「骨形成不完全症」という、骨がガラスのようにもろく、小さな衝撃でも骨折してしまうというもの。そのため、庵原さんは生まれてから一度も歩いたことがなく、車椅子の生活を送っている。だが、自分で改造した自動車を運転するなど明るく活発な性格の持ち主だ。
朗読を始めたのは、ある朗読講習会を友人に薦められ参加したことがきっかけ。「私は京都生まれの京都育ち、朗読を始めて23年になるがアクセントが悪い。しかし、私は私なりに、書いた人の心をこめて朗読している」と話した。
このCDの作成を「ミッションからしだね」代表の坂岡さんらに依頼された時、庵原さんは1度断った。「メンバーが一所懸命活動されている姿を見て、こんな私でも助けになることができるなら」とCD製作を決意した。
「私が今まで生きてくることができたのは、多くの人の助けと守りがあったから。その出会いを与えてくれたのは神様だと思っています」「一人一人に感謝を返すことはできないけど、CDをお手伝いさせていただけたことで、この喜びをお届けできるかと思います」
申し込みは「社会福祉法人ミッシヨンからしだね」設立準備会まで。(E-mail: [email protected]、FAX:075-644-0832)