5月11日発売されたミクタムプレーズ&ワーシップシリーズ第20作記念となるアルバム「MIRACLE」。既に買い求めた人も多いだろう。神の天地創造の奇跡、キリストの贖いの奇跡、聖霊の美しい助けなどが歌われ、「私は信じる、主イエスを奇跡の神を・・」と結んでいる。収録曲は小坂忠氏(秋津福音教会主任牧師)の新曲を含む全12曲。同作品には四半世紀以上に渡って日本のワーシップ界をリードしてきた小坂氏のほか、Asiah、水野弘子、山川哲平ら、小坂氏に続く期待のワーシップリーダーも参加している。
1978年に設立されたミクタムレコード社(高叡華代表)は常にワーシップ界の最前線を行き、先駆者的な役割を果してきた。ワーシップ製作の第一弾として製作された「いのちのパン?〜?」(1980年〜84年)は全曲、聖書の言葉(聖句)を歌詞にしたもの。ワーシップ賛美に嫌悪感を持つ教会が多かった当時、聖句をそのまま歌詞にしたことで多くの教派、教団で愛唱された。コーラス中心に仕上げられた「いのちのパン」シリーズからは、「ワーシップ」という言葉さえなかった当時の教会で、口コミを通じて若者を中心に支持を得ていった「新しい賛美」の小さな息遣いが聞こえてくるようだ。
87年から89年にかけて「リビングプレイズ」(いのちのことば社)シリーズ5作の制作を手がけた。多くの教会にワーシップ賛美が浸透しはじめ、メッセンジャーとしてCDに参加する牧師も与えられた。ワーシップ音楽が聖書のメッセージと合体することで、この働きが新しい「伝道」の形として認識され始めた証拠ともいえるだろう。
88年から94年に発売された「P&Wシリーズ?」では、リーダー、ソングアシストやクワイヤー、リズムやストリングスなどをバックに岩渕まことや久米小百合がリードに加わり、高い音楽性を誇るミクタム・スタイルが確立された。それまでクラシックスタイルで歌われていた「主の祈り」が新しく訳詞され、ワーシップ集会「ジェリコジャパン有明'91」のエンディングで熱唱された。
98年から2002年にかけて発表された「P&Wシリーズ?」は、当時150カ国が参加する国際的な賛美運動「マーチ・フォー・ジーザス」(MFJ、1993〜2000)に小坂氏が日本代表を務めるなど、海外にまで奉仕の場を拡張したミクタムのエネルギーを存分に感じさせる作品だ。MFJのために作られた曲や海外からのナンバーを和訳して次々に紹介し、また逆に、日本人キリスト者が海外の聖会で証しを語る機会を生み出したのもこの頃だった。
そして03年より現在、「P&Wシリーズ?」を発表している。ワーシップ賛美を取り入れたいとの教会からの要望に応え、賛美と礼拝の再建を担う将来の働き人を育てるワーシップセミナーが大きな反響を呼び、セミナーは全国各地で行われるようになっていった。日本宣教音楽学校(JMMS)の設立(2002年)にも初代学長として土台を築いた。
「私は信じる、奇跡は今でもあると」(アルバムMIRACLE収録曲 「私は奇跡を信じる」より)という歌詞を聴くと、小坂氏がとあるワーシップセミナーで語った証しを思い出す。それは、小坂氏が救われるきかっけとなった奇跡の話だ。
「私がまだ、ロックミュージシャンだったころ、1歳半の娘が大やけどをおいました。妻の祖母がクリスチャンだったので教会に連れられていき、初めて教会に入りました。ちょうど、婦人たちの小さな祈り会が行われている最中でした。婦人たちは、会ったこともない私の娘のために、ある人は額に汗を流しながら、ある人は涙を流しながら祈ってくれたのです。それから、3カ月後、娘のやけどは綺麗に治り、医者も驚くほどでした。そのときに思い出したのが、教会の祈りでした。それから、もっとイエス様を知りたくて教会に通うようになったのです。」
最新作「MIRACLE」でワーシップリードをしているAsiahは実にその時の娘だ。
「MIRACLE」の中心聖句は、「私は多くの人にとっては奇跡と思われました。あなたが、私の力強い避け所だからです」(詩篇71:7)。ミクタムの機関紙で、小坂氏の夫人、高叡華プロデューサーは「神により頼んで歩む人は奇跡の道を歩む。MIRACLEは救いの奇跡、作り変えられる奇跡などをテーマに作成した」と語っている。現代社会を生き抜くために「奇跡の主」を信じること、それが、25年もの間、ワーシップ運動の働きを続けてきたミクタムの原動力なのだ。
小坂氏は歌う、「私は信じる、奇跡は今でもある」と。
ミクタムプレイズ&ワーシップ第20作完成記念の特別イベントとして、賛美集会「ワーシップセレブレーション」が東京と横浜の2カ所で開催される。詳細は以下のとおり。
6/27(月)開演19:30 お茶の水クリスチャンセンター8Fチャペル(JR御茶ノ水駅徒歩3分)
6/28(火)開演19:30 横浜華僑基督教会(横浜中華街内/みなとみらい線元町・中華街駅3番出口より徒歩3分)
入場無料(席上献金あり)
問い合わせはミクタムレコード(電話:03-3358-0891)まで。
リンク:ミクタムレコード公式サイト