2003年から改修・増築工事中の「モルガン・ライブラリー」(米・ニューヨーク)が完工予定の来年春を前に、メディアに向け工事の進捗状況を公開した。
関西空港ターミナルビルの建築をデザインしたほか、建築界で最も栄誉があるとされているプリッツカー賞受賞者として日本でも有名なイタリア人建築家レンゾ・ピアノ氏を迎えた改修プロジェクトは、総工費1億200万ドル。
地下には倉庫や280席を備えたイベントホールが新しくできるなどして、完工後の展示面積は以前の倍になる。“キューブ”と呼ばれる新展示スペースには、モルガン家の秘蔵品が常設展示されるとのこと。
モルガンライブラリーはジョン・ピアポント・モルガン(1837-1913)のコレクションを中心とした図書館。同氏は歴史上有数の美術コレクターとしても知られている。1455年にヨハン・グーテンベルグ(独)が発明した鉛鋳造活字による活版印刷機、グーテンベルグ印刷機で刷り、世界に48部しかないグーテンベルグ聖書を3部も所有しているだけでなく、シェーファーフスト印行の聖詩篇48行聖書、プフィスター印行の36行聖書も所蔵している。
他にも、モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」の直筆楽譜、レンブラント、デューラーの素描などがある。
再開時には同館の所蔵品のハイライトを一挙に公開する予定。