群馬県喜多郡に1991年に開館した東村立「冨弘美術館」の新館が今月16日、移転先の同県勢多郡で開館した。
前美術館は総入場者が最近470万人を突破。施設規模と老朽化問題の解決方法として再建設と移転が決まった。新館建設には5年を要した。
新美術館のデザインは国際設計競技にかけられ、設計競技史上最多の1211案が54カ国から寄せられた。応募作品から、よこみぞまことさん(東京都在住)の廊下がない33の円筒型の部屋からなるデザインが選ばれた。
建設は、公共建築では珍しい住民参加型の設計プロセスで進められ、多数の住民が建設に協力した。
新館は旧館の2倍の150点を展示。開館初日は雨にもかかわらず約1000人が来館し、翌日は2000人以上が訪れた。
星野富弘氏は今回の開館にあたって「廊下がない、変わったつくりだが迷いながら進んで行ってもいいんじゃないか。当たり前のつくりでは10年後には飽きられてしまう。驚くようなつくりがあっていい」と話した。