日本基督教団ホーリネスの群・首都圏教師会が25〜26日、若者の伝道と意識の覚醒を狙い、東京聖書学校(埼玉県・吉川教会内)で「ユースフェスティバル2007」を開催した。今回で第32回目となる同集会には、青年信徒たちを中心に未信者も含め、14教会から男性28人・女性46人の計74人が参加。スペシャルメッセンジャーとして招かれた古川第一郎師(日本キリスト改革派、南越谷コイノニア教会牧師)が「いやしの3つのステップ」と題してメッセージを伝え、自分を受け入れること(他人との溝が怖いと思うことは自分への警告だと気付くこと)、悪循環を直すために自分が自分のこころの責任者となること、他人のせいにしたことを悔い改めて主にこころを向けること(それが自分を愛することにつながる)、の3点を強調した。
メッセージを終えて吉川師は、「対人関係で傷つくことが多くあります。その場合傷つけられた本人も痛いが、傷つけた人にも罪の意識があり心が痛いのです。ですから全てを他人のせいにするのではなく、相手の気持ちを理解し、抱こうとする姿勢が大切です。この問題を乗り越えるには、神さまとの関係性をもっと正しくしていくことが必要です」と語った。
人間と神の関係について同師は、自転車についている2つの車輪がベルトを介して一つになり、動力を発していることを説明しながら、「2つの車輪が人間であり、ベルトが神さまです。人間は神さまの介入なしには正しい関係性を築くことはできません。人間は神さまがいなければうまく生きることができないのです」と主張した。
今回フェスティバルに参加した青年たちは、集会後のアンケートで、「傷つけられた人だけでなく、傷つけた人にも心の痛みがあるというのが衝撃的だった」「自分を好きになり、自分が自分自身の牧会者になれるように努力したい」「自分が受けた傷は無理やり治すのではなく、主の力によって治すものであるということを知った」「悩んでいたので古川牧師のメッセージがまさにタイムリーだった」などと、胸の内を明らかにした。
さらに、集会を通して3人の若者が洗礼を受けたいと申し出たという。参加者らは、ナンバーワンではなくオンリーワンであるたった一人の「自分」を受け入れること、他人を思いやり大切にすること、神様との関係性を正しくすることの重要性を学んだ。
メッセージを伝えた吉川師は、心病む人々や子育て中の親たちに対する「牧会カウンセリング」に力を注いでいる。同師自身、教会で牧会者として奉仕しながら心に痛みを持つ人々と出会う中で心の病にかかり、ダウンしてしまうこともあったが、現在はその経験を生かしてより一層牧会カウンセリングに尽力している。