米俳優メル・ギブソンの新作「The Passion of Christ(邦題、キリストの受難)」が来月25日(灰の水曜日)、全米2000の映画館で公開される。ギブソンの経営するアイコン・プロダクション広報関係者が報道各機関に対して明らかにした。
「Passion of Christ」はイエス・キリストが十字架にかけられるまでの12時間を鮮明に描いたもの。一部ユダヤ人団体はこの映画について、キリストの死をユダヤ人政権の混乱に関連づけた点で、反ユダヤ主義を招く恐れがあると強く非難している。
キリスト教団体やカトリック団体は、新約聖書に忠実だとして作品を擁護している。
「灰の水曜日」はイースターの46日前、教会暦で四旬節(しじゅんせつ)が始まる日。この日、キリストの受難・死を想い痛悔する印として信者の頭に灰をかけたり額に灰をつけたりするため、灰の水曜日と呼ばれるようになった。灰は前年の枝の主日に祝別した、勝利と歓喜の象徴であるシュロの枝を焼いたものを用いる。古くは灰が石けんの代用品として洗浄に用いられてきたことから、浄化や再生、人間の罪が贖われ、新たな力が注がれるといった肯定的な意味がある。
「Passion of Christ」
http://www.passion-movie.com/home.html(日本語訳あり)