イエス・キリストが処刑される直前の12時間を題材とした映画「受難(Passion)」の制作者兼監督であるハリウッド俳優メル・ギブソン氏が、ユダヤ教団体の非難を意識して内容を大幅に緩和させたことが分かった。ユダヤ教団体が映画「受難」に敏感な反応を見せている理由は、ユダヤ人が血と金銭に飢えてイエス・キリストに憎しみの心を抱いた民族として描写されているという判断のためだ。
制作会社側は映画の内容が聖書で描写された姿と比べて全く忠実に再現されなかったという立場であるが、最近になってユダヤ教団体の抗議も増加。「試写会への意見などを通じて問題の部分を再編集することにした」と報告した。しかしこのような制作会社側の努力にもかかわらず、ユダヤ教団体は懐疑的な反応を見せていて、両者の葛藤は当分続くと思われる。映画「受難」は来年復活祭に公開される。