【CJC=東京】米国の『国際宗教の自由委員会』は2011年版報告書を4月28日発表した。今回初めて、コプト派キリスト者など宗教少数派への暴力行為が続発するエジプトを、宗教の自由を侵害する国、と認定した。米政府の「特に監視が必要な国」のリストに載せるよう提案している。
同委員会のレオナード・レオ委員長は、エジプトがホスニ・ムバラク前大統領が2月に辞任して以来、政府の抑止策にも関わらず、暴力行為が減少していない、と指摘する。
エジプトのほか、「特に監視が必要な国」として、同委員会はビルマ、中国、エリトリア、イラン、イラク、ナイジェリア、北朝鮮、パキスタン、サウジアラビア、スーダン、トルクメンスタン、ウズベキスタン、ベトナムを上げている。
さらに「要監視国」としてはアフガニスタン、ベラルーシ、キューバ、インド、インドネシア、ラオス、ロシア、ソマリア、タジキスタン、トルコ、ベネスエラを上げている。
「宗教的少数派だけでなく多数派宗教の中の少数派に対する暴力的攻撃があるのに、多くの国では見逃されている。これは国家による直接的な抑圧と同様、宗教の自由を危うくするもの」と同委員長は指摘している。
同委員会は1998年、超党派の独立機関として設立された。米国以外の国での思想、良心、宗教、信仰の自由状況を監視し、政策提案を行う。米国務省は、独自に国際的な宗教の自由に関する報告書を発表するが、同委の提案には必ずしも拘束されない。