【CJC=東京】前教皇ヨハネ・パウロ2世を「福者」とするミサに参加しよう、とサンピエトロ広場に集まった信者・観光客は100万人を超えた。150万人との報道もある。
前教皇の肖像画や出身国ポーランドの旗を掲げた人も多数見られた。教皇ベネディクト16世が前教皇を福者に認定、サンピエトロ大聖堂の正面に掲げられた前教皇の肖像画が除幕されると、群衆から大きな拍手とイタリア語で「サント・スビト(直ちに聖人に)」の声が巻き起こった。
バチカンにこれほど多くの信者が集まるのは、前教皇の葬儀が営まれた2005年以来のこと。ローマ市内のホテルはいずれも満員で、宿泊費も高騰した。主な教会は祈りのために前夜に開放、前教皇の母国ポーランドなどからは、広場に泊まり込む信者もいた。
早朝から信者たちがサンピエトロ広場に詰めかけ、ローマ市警察は広場から半径500メートル以内への立ち入りを禁止し、周辺各所に設置した巨大スクリーン前に誘導した。赤十字などの救護所も開設された。
バチカン(ローマ教皇庁)は、参列できない信者のために、インターネットのミニブログ「ツイッター」や交流サイト「フェイスブック」に専用ページを開設し、式典の様子を生中継した。
前教皇は1978年にローマ教皇に選ばれた後まもなく、旧ソ連の共産圏下にあった故国ポーランドを訪れた。それが、後にポーランドの共産主義政権を崩壊させる原動力になったといわれる。1日にはかつてポーランドの首都だったクラクフにも5万人あまりの信者が集まった。