世界教会協議会(WCC)は、同エキュメニカル神学教育(ETE)プログラムと英国を拠点とする神学教育のためのクイーンズファウンデーションとともに、6日から9日にかけて英バーミンガムにおいて神学教育協議会を開催した。協議会には世界各国および地元神学教育・開発機関などから25の団体代表者らが参加した。
同協議会参加者らは、教会信徒全員がキリスト教指導者として包括的な教育を受ける機会があるべきであり、そのための取り組みを活性化していく呼び掛けを行っていくことで同意した。神学教育はキリスト教宣教の内蔵にあたる部分であり、全教会にとって共通の課題を投げかけるものである。
協議会参加者らは共同で、「神学的に十分に教育を受けた牧師、伝道師、教会指導者らの需要が、福音主義・聖霊派の教会ならびに伝統的な正教会・カトリックその他プロテスタントのバックグラウンドをもつ全教会にとって増加している」との声明文を発表し、さらなる神学教育強化の必要性を呼び掛けた。さらに宗教と開発、神学と社会政治運動、神学教育と開発機関の関係を再考していく必要性についても指摘された。
本協議会でなされた共同声明による呼び掛けは「神学教育における一致した取り組みのためのアジェンダ21―バーミンガム協議での所見」と題され、神学教育というものは教会の維持という内部的な問題のみに限られたものとして扱われるものではなく、教会が存在する社会における社会政治的なコンテクストにおいて関連する広範な課題をも含み、それらの課題に対して識見を発信していくものであるとの意見の一致がなされた。
声明文では「神学教育は社会的変遷、貧困削減およびリーダーシップ育成に貢献するものである」と述べられた。また声明文では開発機関と神学教育機関がより明瞭な協力関係を構築していくことができるようにも呼びかけられた。今回の協議会で成された取り組みは今後も関心ある機関・教会およびネットワークと関係を発展させながら継続して行われていく予定である。協議会の今後の課題としては、神学奨学金、電子教育、電子図書館およびその他神学教育に関わる教育品質を高めるための国際的に共通した取り組みを発展させていくことが挙げられるという。