東日本大震災被災地支援のため、東北応援団「LOVE EAST」が立ち上げられた。発起人は久米小百合氏、岩渕まこと氏、田島実氏、しゅん富田氏、およびジョシュア佐々木氏。現在約90名の団員が声掛けをして緊急応援物資を集めており、被災地に輸送している。ワールドビジョン・国際飢餓対策機構をはじめとする各キリスト教系支援団体やボランティアチームと連絡を取り合い、協調しながら支援活動を進めていくという。
物資の支援のみならず、団員の中にたくさんのクリスチャンアーティストが存在する特色を活かして、被災地での音楽やアートを用いての応援も視野に入れつつ活動していくという。被災したキリスト教会では楽器や讃美歌・聖歌の楽譜などが津波で流されてしまっており、音響楽器も修理が必要になっている。これらの音楽支援も合わせて行っていく予定であるという。
東北応援団を通して集められた物資は、神の家族主イエス・キリスト教会(田島実牧師、東京都足立区)を経由して、宮城県大衡村の拡大宣教院(永井信義牧師)、宮城県栗原市イエスキリスト栗原聖書バプテスト教会(岸浪市夫牧師)、福島県いわき市グローバルミッションセンター(五十嵐義隆氏)、仙台市青葉区西仙台教会(中澤竜生牧師)に届けられる。
被災地では物資があふれているところと、まだまだ不足しているところの格差が激しい。東北応援団の報告によると、岩手県沿岸部では物資が非常に不足しており、まだ1日おにぎり1個、パン一つで生活している地域があるという。政府・自治体では避難所全体に公正に物資が行き渡るように配慮しているものの、活動の柔軟性が効かず、他支援団体による支援を必要としている切実な地域が存在していることが報告から如実に伺える。被災地でスーパーや飲食店が営業を再開し出しているが、通帳や現金を持ち出せた人と、着の身着のままで避難してきた人では生活に大きな格差が生じているという。政府自治体では公平な分配を行うために義援金の分配が慎重になっており、支援が必要な人に迅速に支援が届かないというもどかしい事態も生じていることが報道されている。
また被災者の物資の必要が満たされても、仕事や家を失うなど精神的苦痛から救い出す活動も切実に待たれている。栗原聖書バプテスト教会では、被災者のための読み物として物資と共に聖書も配布していきたいという。東北応援団「LOVE EAST」は、30日に新宿シャローム教会にて応援団の団結式を行う予定。活動に興味のある人は誰でも団結式に参加できる。キリスト教の礼拝形式の団結式を行った後、現在の活動状況と今後の活動についての報告等を行う予定であるという。
国際的なクリスチャンの運動であるユーズ・ウィズ・ア・ミッション(使命を持った若者)で弟子訓練を手掛けているデービッド・マックダニエル氏は、「被災地では『なぜこのようなことが起こったのか?』『神は存在するのか?』という絶望的な気持ちが生じています。お金や物資でこの様な心の飢え渇きを満たすことはできません。イエスキリストの中にのみ、希望を与える答えがあります。私は祈りの中で、日本には今、戦後最大の宣教の扉が開かれていることを感じました。被災地の方々がイエスキリストの恵みと聖霊に満たされる、本当に大切な時期を迎えていると思います」と述べている。ユーズ・ウィズ・ア・ミッション(YWAM)は、クラッシュ・ジャパンを通して被災地支援活動を行っている。
さまざまなキリスト教支援団体が協調しながら支援活動を行うことで、キリスト者ならではの霊的飢え渇きを満たす支援がなされること、イエスキリストという神の御子から得られる救いに対する確信と希望が被災地に届けられることによって、東北教会にとって、また日本の教会すべてにとって教派を超えた新たなスタートを切り出し、被災地がキリストの恵みで満たされることが願われている。