なお2000年には別のタイトルで2回の大きな賛美集会を開催しているため、実質的には今回が20回目という大きな節目を迎えた。今回は、台湾を代表するクリスチャン指揮者兼作曲家の金希文氏を指揮者に迎え、若手のヴァイオリニスト水谷晃氏、日本を代表するソプラノ歌手高橋薫子氏、バリトン歌手加賀清孝氏を招いての豪華プログラムとなった。イザヤ書40章1節「『慰めよ。慰めよ。わたしの民を。』とあなたがたの神は仰せられる」をテーマにJ.シベリウス、F.メンデルスゾーンの楽曲および柳瀬佐和子氏、金希文氏による作品からプログラムが編成された。
今回の演奏では、柳瀬佐和子氏によって作曲された「神はそのひとり子を」が金希文氏の指揮とユーオーディア管弦楽団・合唱団によって初演された。柳瀬佐和子氏によると同曲は、「イエスキリストの十字架の贖いと復活が、まさにこの私のためだった、と知った時、そして、そのことにより私の罪がゆるされたと知った時、時を越えて、永遠の命に続く、神様の愛を音に託してお伝えしたい、そんな思いと祈りにより、書き上げることができた」という。また金希文氏によって作曲された「詩編57(詩編交響曲より第4楽章)」も演奏された。第4楽章が終楽章であり、聞く人々の魂を高く天までに引き上げるようなダイナミックな賛美演奏となっている。
ユーオーディアは今夏被災地の仙台で初めての「ユーオーディア音楽祭」開催する予定であるという。ユーオーディア代表の柳瀬洋氏は大震災について「千年に1度の大震災となり、私たちの生き方とは何かが今問われていると思います。このようなときにこそ、福音を音楽を通して被災地の方々にも届けて行きたいと思います」と述べた。
一般社団法人である「ユーオーディア」は、「神をほめたたえる」という唯一の目的のためにクリスチャンのクラシック音楽家たちによって、設立された。「ユーオーディア」はギリシャ語で「最上の香り」という意味で、聖書の中の「キリストのかおり(Ⅱコリント2・15)」を表している。1988年に日本で「クリスチャン音楽家の集い」という小さな集会から出発し、その後2004年には音楽伝道者や教会音楽奉仕者育成、また子どもたちの音楽教育のための「ユーオーディア・アカデミー」が設立され、2005年にはタイ、バンコクに「ユーオーディア音楽宣教センター」が開設され、ユーオーディアの賛美と宣教のミニストリーは今や日本のみならず、全世界に及んでいる。
ユーオーディア・アカデミーでは小・中・高校生のためのジュニア科の他、大人でもクリスチャンで賛美に関心のある人、演奏家を志す人を対象に受講生を募集している。声楽・器楽演奏は教育として受ける際、その技術向上にばかり焦点を当てられる傾向があるが、ユーオーディアはクリスチャンの音楽教育の場として、専門分野の習得とともに、「主を賛美する」ことの意味をとすばらしさと重要性学び、実践することも含まれており、より情操豊かな音楽技術習得が期待できる。
ユーオーディアでは今後三軒茶屋ナザレン教会礼拝堂(東京都世田谷区)にて、東北太平洋沖地震支援チャリティーコンサート(入場無料、席上献金あり)を実施していく予定であるという。席上献金はワールド・ビジョンを通して被災地に届けられる。開催日は5月7日、6月11日、9月30日、10月29日および11月5日。詳細はユーオーディア事務局(03・6657・5011)まで。