超教派のネットワーク「仙台キリスト教連合」はこのほど、各教派・団体の救援体制をお互いより迅速・適切に展開していくためのネットワーク機関として「仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク(愛称:東北ヘルプ)」を立ち上げた。同ホームページでは、救援活動のためのリアルタイムの情報交換が行われているほか、特に沿岸部の被災教会や被災者のための献金を共同で募っている。
世話人の日本基督改革派教会仙台教会牧師の吉田隆氏は「長期にわたるであろう支援活動を通して、国内外のキリスト教諸教会や団体、東北にある教会同士、そして教会と地域とのネットワークが生み出され、東北の諸教会が真の復興を遂げて行くことを心より願っています」と述べている。
東北ヘルプのホームページではネットワークに属する教会連絡先、また援助団体連絡先が一覧として表示されているほか、「たすけたい」「たすけがほしい」「とまるばしょがひつよう」「ボランティアがひつよう」など被災者、被災者を支援する側両方のニーズに応じたメニューが表示されている。
東北ヘルプによると、「(教会が)地元の被災者との信頼関係を作ることに時間がかかる。そのことを牧師が予め理解することが必要。教会に足りないのは、地元情報。そのために町内会・民生委員その他の協力を得ていきたい。民生委員に足りないのは、予算。町内会に足りないのは、融通。教会は両方を持っている」と教会が被災者支援を通して奉仕する機会に期待を寄せている。
これまでも町内会の役員と教会の牧師が個人的に親しかったことから、役員さんと話、町内会の役員会で議事にかけてもらい、こちらの趣旨を理解していただいたうえで、水500本を町内会を通して配給することができ、結果として教会と町内会の絆が生まれる等の事例が生じているという。
それぞれの被災地の町内会や民生委員は、地元被災者のニーズに応えるべく個人情報管理や公平性原則などの法の壁とのジレンマとの葛藤に遭いながら活動し、疲弊が生じているという。地域を超えた全国・グローバル規模の教会ネットワークが被災地支援を通して地元町内会との深い絆を形成し、教会が地域に奉仕できる大きな機会が生じている。大震災という艱難を乗り越え、教会と支援団体がネットワークを通してひとつになり、また地域との関係も強化する動きが期待されている。