クラッシュ・ジャパンと共に救援活動を行う「世界憐れみネットワーク(WCN)」オペレーション・マネージャーであるグレッグ・ロウェン氏は、避難所の人たちがお互いに気遣うありさまに感動し、多くの人がこれからしばらく続くであろう避難所生活に少しずつ適応し始めている様子を伝えている一方、どんぐり国際ミニストリ(AIN)代表ステファン・フィッシャー氏は、避難所に漂う絶望的な空気を感じ「被災者の方々は、ただ座って待っているだけです。食べ物、水、基本的な必需品は与えられていますが、今、彼らに一番必要なのは、希望なのではないでしょうか」と伝えた。クラッシュ・ジャパンでは物質的な支援活動を行いつつも、キリストの愛を伝える宣教パンフレットを配布するなど被災地での宣教活動も順調に進んでいるという。クラッシュでは、特に共に現地に赴き、被災者に希望を与える教会やキリスト教団体からのボランティア・チームを求めている。
国際飢餓対策機構でも地元の教会を通した救援活動が進んでいる。22日午後には同機構支援企業のパン・アキモト(栃木県那須塩原)の秋元社長が焼き立てパン2000食分、パンの缶詰(救缶鳥)数百食分をライトバンに満載して仙台のベースキャンプに届けた。パンが配布された多賀市笠神の塩釜聖書バプテスト教会の周辺では、食料不足に燃料不足が重なって、特に高齢者が食糧を確保するのが困難な状況にあったという。
被災地において、秋元社長が同教会牧師の大友幸一氏とともにパンを届ける笑顔と温かさに包まれた姿は「アンパンマンのようでもあった」と報告されている。パンが配られた様子は4月12日に「日経スペシャル ガイアの夜明け」で紹介される予定であるという。
同機構は23日、被災地への救援物資の輸送で地元自治体の八尾市との協力が実現した。八尾市総合体育館において、同機構がチャーターした10トントラックに八尾市が市民に呼び掛けて集められた救援物資と同機構が独自のルートで集めた多数の日用品が積み込まれ、仙台に配送されたという。
八尾市では市民から約10トン程の物資が集められたものの、震災直後から全国的にトラックの需要が高まり、輸送手段の確保が非常に厳しい状況となっていた。こうした状況を聞きつけた同機構が輸送の応援を市側に打診し、救援物資輸送での協力が実現したという。八尾市の担当者も「被災地に少しでも早く市民からの救援物資を届けられるので、大変感謝している」とコメントした。同機構広報担当の鶴浦弘敏氏は、自治体との協力について「地元地域の皆さまへの証しと信頼をアピールする機会であると考えております。この団体を知ってくださり、また支援の輪に様々に参加していただくことを通して、関係が生み出され、その中で個人的に主に導かれる方が起こされることを願っております」と述べている。
被災地での復興支援活動を通し、クリスチャンと被災者、自治体の間で新たな絆が構築され始めている。キリストの体として地域社会に奉仕する溢れんばかりの機会が有効に使われ、被災地で物質面のみならず精神的な絶望に苦しむ多くの人々に復興支援を通したキリストの愛が伝えられることが期待されている。